慢性好酸球性肺炎に対するステロイド治療は、3ヶ月と6ヶ月で再発率同等

e0156318_2331765.jpg 呼吸器内科医は必読です。CEPの論文はなかなか出ないので、エビデンスの構築にはこういった研究が必要です。浜松医科大学からの報告です。素晴らしい論文だと思います。
 再発率が変わらないのであれば、6ヶ月もの間ステロイドの副作用に晒される必要性はなく、3ヶ月でよいと思います。
 CEPに関する論文で毎回気になるのは、コンセンサスのある診断基準が存在しないことです。私もCEPに関する短報を書いたことがありますが、これぞという診断基準がなく困った覚えがあります。プロスペクティブな研究を行う上で、一定のコンセンサスのある基準があったほうがよいと思います。臨床的には診断基準はそこまで必要ありませんが(多くが古典的・典型的CEPのため)。

Oyama Y, et al.
Efficacy of short-term prednisolone treatment in patients with chronic eosinophilic pneumonia
ERJ January 22, 2015, in press.


背景:
 慢性好酸球性肺炎(CEP)の患者は、ステロイド治療によって劇的な改善がみられる。しかしながら、治療終了後に再発がよくみられる。そのため、ステロイド治療の適切な期間はいまだに不明である。
 Marchandらの報告によれば、ステロイド治療は少なくとも6ヶ月以上行うべきであるとされている(Medicine (Baltimore). 1998 Sep;77(5):299-312.)。ただし、この見解はレトロスペクティブ試験に基づくものである。短期間の治療であっても、再発後にステロイドを再開すればCEPの反応性は良好である。そのため、長期のステロイド治療による合併症を懸念するのであれば3ヶ月といった短期治療にも妥当性があるだろう。

方法:
 このランダム化オープンラベル研究において、CEPの診断基準を以下のように規定した。
・CEPを疑う臨床症状が1ヶ月を超えて存在する(例:発熱、咳嗽あるいは労作時呼吸困難感)
・胸部レントゲン写真で浸潤影がみられる
・気管支肺胞洗浄液において好酸球増多が観察される、または経気管支肺生検で好酸球の浸潤がある
・感染症が除外できる

 除外基準は、以下の1つ以上を満たすものと定義した。
・プレドニゾロンを1日10mg以上内服している
・免疫抑制剤を使用している
・重篤な基礎疾患を有する(例:糖尿病、コントロール不良の高血圧症、出血性消化性潰瘍、緑内障、肝機能障害、腎機能障害)
 適格基準を満たしたCEP患者は経口プレドニゾロンを3ヶ月(3ヶ月群)あるいは6ヶ月(6ヶ月群)に割り付けられ、2年間観察された。すべての患者は、プレドニゾロンは初回0.5mg/kg/日の用量とした。3ヶ月群では、2週間ごとに20%までの減量とし、3ヶ月後に中止した。6ヶ月群では、初期2ヶ月は2週間ごとに20%までの減量とし、その後3週ごとに20%までの減量を行い、6ヶ月後に中止した。プライマリエンドポイントはフォローアップ期間中の再発とした。

結果:
 合計55人がランダム化された。様々な理由により11人が除外され、最終的に44人(3ヶ月群23人、6ヶ月群21人)が最終的な解析に組み込まれた。年齢、性別、喫煙歴など患者背景に差はみられなかった。
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(文献より引用)

 すべての患者はプレドニゾロンの治療によく反応を示した。3ヶ月群の12人(52.1%)、6ヶ月群の13人(61.9%)が再発した。累積再発率には有意な差はみられなかった(p=0.56)。再発までの日数の中央値は、3ヶ月群で182日、6ヶ月群で211日だった。
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(文献より引用:累積再発率)

 すべての再発例はプレドニゾロン治療の再開によって改善した。CEP再発に寄与する因子(年齢、性別、喫煙歴、呼吸機能検査、CRP、末梢血・気管支肺胞洗浄液中好酸球数、IgEなど)についてCox比例ハザードモデルを解析をこころみたが、何ら再発を予測する因子は同定されなかった。

結論:
 CEPに対する3ヶ月ないし6ヶ月のプレドニゾロン治療の再発率に差はみられなかった。


by otowelt | 2015-01-26 00:56 | びまん性肺疾患

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