関節リウマチによる肺高血圧症は、特発性肺動脈性肺高血圧症より肺動脈圧は低いが生存に統計学的な差なし

e0156318_9102283.jpg 肺高血圧症には興味はあるのですが、ほとんど二次性の患者さんなので劇的に効いたと実感することは多くありません。

Saghar Sadeghi, et al.
Survival in rheumatoid arthritis-associated pulmonary arterial hypertension compared with idiopathic pulmonary arterial hypertension
Respirology, 13 JAN 2015, DOI: 10.1111/resp.12464


背景および目的:
 この研究では、特発性肺動脈性肺高血圧症(IPAH)と比較した関節リウマチに関連した肺高血圧(RA-PAH)の患者における生存を調べた。また、疾患重症度や治療内容の違いも検討した。

方法:
 われわれはレトロスペクティブにRA-PAHとIPAHの患者をトロントの肺高血圧症プログラムコホートから抽出した。プライマリアウトカムは総死亡とした。傾向スコアマッチコホートを用いて、生存を解析した(Cox比例ハザードモデル)。

結果:
 1385人の患者をスクリーニングし、18人にRA-PAH、155人のIPAHの患者が同定された。RA-PAHの患者は高齢であった(年齢中央値:64.0歳 vs. 53.7歳)。またRA-PAH患者はベースラインの平均肺動脈圧が低かった(41 vs. 50 mmHg, p=0.02)。RA-PAHの患者は女性に多く(83% vs 70%, 相対リスク0.55, 95%信頼区間0.19–1.57), WHO機能分類III/IVの頻度が少なく(39% vs 52%), べースラインのBNP値が低く(58.4 vs 95.0 pg/mL)、6分間歩行距離が長かった(440 vs 397 m)(いずれも統計学的に有意ではない)。
 全体で35人が死亡した。非補正1年生存率はRA-PAH患者で93%、IPAH患者で94%だった。マッチコホートにおいて7人に死亡が確認された(11% vs 28%、ハザード比1.53[95%信頼区間0.15-2.84])。生存曲線の差異は統計学的に有意ではなかった。
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(文献より引用)
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(文献より引用:傾向スコアマッチ)

結論:
 IPAH患者と比較してRA-PAH患者は高齢でベースラインの平均肺動脈圧が低かった。生存解析ではRA-PAH患者はIPAH患者と同等であった。


by otowelt | 2015-02-04 00:53 | びまん性肺疾患

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