非結核性抗酸菌症に対するベダキリンは有効かもしれない

e0156318_233338.jpg ベダキリンとマクロライドとの併用はQT延長のリスクがあります。
 多剤耐性結核に対するベダキリンの論文はNEJMにすでに掲載されています。

多剤耐性結核に対するべダキリンの有効性

Julie V. Philley, et al.
Preliminary Results of Bedaquiline as Salvage Therapy for Patients with Nontuberculous Mycobacterial Lung Disease.
Chest. 2015. doi:10.1378/chest.14-2764


背景:
 ベダキリンは、ジアリルキリノンと呼ばれる新規薬剤に分類される経口抗抗酸菌治療薬である。菌のATP合成酵素(ATP synthase)を阻害する。ベダキリンは多剤耐性結核に対して有効とされているが、非結核性抗酸菌症(NTM)に対して臨床的に試験されたことはない。

方法:
 われわれは、M. avium complex(MAC)症あるいはM. abscessus(Mab)の治療失敗に陥った肺疾患患者に対してベダキリンを探索的に用いた例を報告する。この薬剤について保険支払が可能であった患者のみを適格基準に登録した。15人の成人患者が選択されたが、10人のみがベダキリン内服可能であった(6人MAC、4人Mab)。10人の患者はベダキリン開始時にはすでに当該疾患に対して1~8年治療を受けていた。80%の患者がマクロライド耐性株を有していた(10人中8人)。患者は結核治療で用いられていたベダキリンの用量と同様のベダキリンを使用され、最も効果的な薬剤も併用した。

結果:
 もっともよくみられた有害事象は悪心(60%)、関節痛(40%)、食欲不振および主観的発熱(30%)であった。QT延長などの心電図異常はみられなかった。6ヶ月治療のあと、60%(10人中6人)の患者は微生物学的に反応がみられ、50%(10人中5人)は培養陰性化が1回以上観察された。

結論:
 この小規模な報告では、進行MACあるいはMabの患者に対するベダキリンの臨床的・微生物学的活性が示されたが、さらに大規模な研究が必要である。


by otowelt | 2015-09-10 00:33 | 抗酸菌感染症

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