中等症気管支喘息に対するICS+LAMAはICS+LABAと同等の効果

e0156318_946195.jpg 合剤で、LAMA+LABA、ICS+LABAはエビデンスがありますが、ICS+LAMAはどうなの?という論文。とうとう組み合わせ無限大の戦国時代に突入しました。

Huib A M Kerstjens, et al.
Tiotropium or salmeterol as add-on therapy to inhaled corticosteroids for patients with moderate symptomatic asthma: two replicate, double-blind, placebo-controlled, parallel-group, active-comparator, randomised trials
The Lancet Respiratory Medicine, DOI: http://dx.doi.org/10.1016/S2213-2600(15)00031-4


背景:
 重症気管支喘息の患者において、高用量吸入ステロイド薬(ICS)+長時間作用性β2刺激薬(LABA)の併用にチオトロピウムを加えると、呼吸機能を改善させ発作のリスクを軽減することがわかっている。われわれは、中用量のICSを用いても症状を有する中等症気管支喘息患者に対して、チオトロピウムの効果と安全性を検証した。

方法:
 24週間にわたるランダム化二重盲検プラセボ対照並行群間試験を14ヶ国、233施設で実施した。登録患者は18~75歳の症状を有する気管支喘息患者で、中用量ICSを用いているにもかかわらず気管支拡張薬吸入前の1秒量が予測値の60~90%、非喫煙者あるいは既往喫煙者(ただし禁煙後1年以上あるいは喫煙強度10pack-years以下)とした。
 ICSを吸入したままの状態で、患者はランダムに1:1:1:1に、1日1回のチオトロピウム5μg、1日1回のチオトロピウム2.5μg、1日2回のサルメテロール50μg、プラセボに割り付けられた。患者および研究者は治療割り付けについて盲検化された。24週時点でのプライマリエンドポイントは、ピーク1秒量の反応(夜の吸入後3時間以内に測定)、トラフ1秒量の反応、ACQ-7質問票による反応の複合とした。

結果:
 2010年8月24日から2012年11月13日の間に、われわれは2103人の患者をチオトロピウム5μg群(519人)、チオトロピウム2.5μg群(520人)、サルメテロール群(541人)、プラセボ群(523人)に割り付けた。そのうち94%(1972人)が試験を完遂した。
 ピークおよぶトラフ1秒量の反応はプラセボと比較して有意にチオトロピウムおよびサルメテロールの方が高かった。プールデータでは、プラセボと比較した差は、チオトロピウム5μ群でピーク1秒量185mL(95%信頼区間146–223)、同2.5μg群で223mL (95%信頼区間185–262)、サルメテロール群で196mL (95%信頼区間158–234)だった(all p<0·0001)。トラフ1秒量の差については同様にそれぞれ146 mL (95%信頼区間105–188), 180 mL (95%信頼区間138–221), 114 mL (95%信頼区間73–155; all p<0.0001)だった。チオトロピウム5μg群におけるACQ-7の反応は、その他の治療群と比較して良好であった(プラセボ群と比較したオッズ比1.32, 95%信頼区間1.02–1.71; p=0.035)(同様に、チオトロピウム2.5 μg群:オッズ比1.33, 1.03–1.72; p=0.031、サルメテロール群オッズ比1.46, 1.13–1.89; p=0.0039)。
 2100人の患者のうち48人(2%)に重篤な有害事象がみられたが、有意な群間差は観察されなかった。

結論:
 中用量ICSに対する1日1回のチオトロピウムの追加は、気流閉塞を軽減し、喘息コントロールを向上させる。反応のパターンはサルメテロールと同等であり、安全性・忍容性にも問題はなかった。この患者群におけるサルメテロールの代替薬としてチオトロピウムは安全で効果的な気管支拡張薬だろう。


by otowelt | 2015-03-04 00:01 | 気管支喘息・COPD

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