非小細胞肺癌の診断後,抗癌療法が実施できず緩和療法を行った患者の検討

e0156318_1458348.jpg  実臨床にマッチした、こういった報告はとても重要だと思います。

佐藤奈穂子ら.
非小細胞肺癌の診断後,抗癌療法が実施できず緩和療法を行った患者の検討.
日呼吸誌, 4(1): 59-65, 2015


背景:
 非小細胞肺癌診断後に抗癌治療ができずbest supportive care(BSC)となった患者の調査と緩和病棟転院(緩和転院)の指標を探索した.

方法:
 2004年11月~2012年12月に初回からBSCとなった75人を後方視調査した.

結果:
 年齢中央値は78 歳(45~99 歳),男性が59 人(78.7%)であった.腺癌45 人(60%),扁平上皮癌22 人(29.3%)の順で多く,その他8 人(多型癌2 人,神経内分泌大細胞癌2 人,非小細胞肺癌4 人)であった.診断時の病期はstage III~IV 期が全体の90.6%を占め多かった.PSは,PS 0~2 が36 人(48.0%),PS 3~4 が39 人(52.0%)であった.
 初回からBSC を選択した理由は,① PS 不良(PS 3~4)のため治療適応がなかったものが39 (52.0%)であった.
 転帰は在院死32.0%,緩和転院20.0%,在宅医療48.0%で,各生存期間中央値は24日,67日,218日であった.緩和転院の指標のため,その中央値(67日)以下の生存に関係する因子を多変量解析で同定すると低アルブミン値と低ヘモグロビン値が関係していた.

結論:
 非小細胞肺癌の診断後に,患者の治療希望がないことやすでに抗癌治療が実施できないことが原因でBSC のみとなった患者では,BSC 選択の背景に年齢や合併症の存在があり,生存にはAlb 値が関与し,緩和転院の判断にはアルブミン値やヘモグロビン値などの栄養状態が関係していた.


by otowelt | 2015-02-23 00:49 | 肺癌・その他腫瘍

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