システマティックレビュー:バイオマス燃料は肺癌のリスクである

e0156318_15403937.jpg 代替エネルギーとしてのバイオマス燃料にはまだまだ議論の余地がありそうです。

Nigel Bruce, et al.
Does household use of biomass fuel cause lung cancer? A systematic review and evaluation of the evidence for the GBD 2010 study
Thorax doi:10.1136/thoraxjnl-2014-206625


背景:
 世界ではおよそ24億人の人が、調理や暖房器具にバイオマス燃料を使用している。2006年のIARCにおいて、家庭における石炭燃料の使用はグループ1発癌性物質とされているが、バイオマス燃料については疫学的データが不足しているためグループ2Aとされている。このレビューでは、疫学的なエビデンスを明らかにし、当該リスクを検証した。

方法:
 10のデータベースを用いて、肺癌と家庭バイオマス燃料使用について報告した研究を2012年7月まで検索した。

結果:
 14の研究が登録され、そのすべてが症例対照研究であった(肺癌:8221人、コントロール11342人)。
 バイオマス燃料を調理あるいは暖房として使用することで、肺癌のオッズ比は上昇した(オッズ比1.17、95%信頼区間1.01 to 1.37)。調理だけに条件をしぼると、オッズ比は1.15(95%信頼区間0.97-1.37)であった。出版バイアスは同定されなかった。
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(文献より引用)

結論:
 バイオマス燃料と肺癌の間には強いエビデンスがあるが、その曝露反応関係のエビデンスを強固なものにするためにはさらなる研究が必要である。


by otowelt | 2015-03-24 00:23 | 肺癌・その他腫瘍

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