非扁平上皮非小細胞肺癌に対するエルロチニブ+ベバシズマブは標準治療に優位性示せず

e0156318_10111651.jpg いわゆる「ネガティブスタディ」です。ERJに肺癌の研究が掲載されるのは珍しいです。

Michael Thomas, et al.
Erlotinib and bevacizumab versus cisplatin, gemcitabine and bevacizumab in unselected nonsquamous nonsmall cell lung cancer
ERJ March 18, 2015 ERJ-02290-2014


背景:
 エルロチニブ+ベバシズマブは再発性非扁平上皮非小細胞肺癌(NS-NSCLC)に対して効果がある。INNOVATIONS試験において、シスプラチンが適応となった非選択的な患者のファーストライン治療としてこの併用療法を、シスプラチン+ゲムシタビン+ベバシズマブと比較検討した。

方法:
 病期IIIB/IV期のNS-NSCLC患者がランダムに以下の群に割り付けられた。すなわち、エルロチニブ(150mg/日)+ベバシズマブ(15mg/kg day1、3週ごと)(EB)(病勢進行[PD]まで)、あるいはシスプラチン(80mg/m2 day1、3週ごと)+ゲムシタビン(1250mg/m2, day1,8、3週ごと)(上限6サイクル)+ベバシズマブ(15mg/kg day1、3週ごと)(PGB)(PDまで)。

結果:
 224人の患者がランダム化された(EB111人、PGB113人)。奏効率(12% versus 36%;p<0.0001)、無増悪生存期間(中央値3.5 versus 6.9ヶ月; ハザード比1.85, 95%信頼区間1.39–2.45; p<0.0001)、全生存期間(中央値12.6 versus 17.8ヶ月; ハザード比1.41, 95%信頼区間1.01–1.97; p=0.04)はいずれもPGBの方が良好であった。EGFR遺伝子変異のある患者(32人)では、奏効率、生存期間はEBがPGBを上回るという結果は得られなかった。
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結論:
 NS-NSCLCにおいて現行のプラチナ製剤を用いた併用療法は、なおもファーストラインの標準治療である。分子標的薬は適切な検査と患者選択を行い用いるべき選択肢であろう。


by otowelt | 2015-04-02 00:58 | 肺癌・その他腫瘍

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