IPF患者では甲状腺機能低下症がよくみられ、予後不良因子である

e0156318_9301181.jpg 甲状腺機能低下症とIPFの関連性についての報告です。

Justin M. Oldham, et al.
THYROID DISEASE IS PREVALENT AND PREDICTS SURVIVAL IN PATIENTS WITH IDIOPATHIC PULMONARY FIBROSIS
Chest. 2015. doi:10.1378/chest.14-2714


背景:
 特発性肺線維症(IPF)の患者には、明らかな膠原病の診断基準を満たさない自己免疫性疾患の特徴を有する無視できない患者が存在する。IPFとその他の自己免疫関連疾患との関連、たとえば甲状腺機能低下症との関連性については報告されていない。この介入において、われわれは甲状腺機能低下症とIPFの関連性を同定し、IPF単独と甲状腺機能低下症合併IPFとのアウトカムに差があるかどうか調べた。

方法:
 レトロスペクティブの症例対照研究を実施した。シカゴ大学間質性肺疾患センターに紹介された311人のIPF患者のうち、196人がIPFの診断基準を満たし解析された。これらの症例を、年齢、性別、人種をマッチさせたコントロール患者(COPD患者)と比較した。

結果:
 甲状腺機能低下症はIPF患者の16.8%、コントロール患者の7.1%にみられた(オッズ比2.7、95%信頼区間1.31-5.54; p=0.01)。IPF患者において、甲状腺機能低下症は生存期間を有意に短縮させた(p<0.001)。また、IPFにおける甲状腺機能低下症は多変量Cox回帰分析において死亡を予測する独立因子であった(ハザード比2.12; 95%信頼区間1.31-3.43; p=0.002)。

結論:
 甲状腺機能低下症はIPF患者ではよくみられ、COPD患者と比較してもその頻度は多い。またIPF患者における甲状腺機能低下症の存在は死亡を予測する独立因子であった。IPFと甲状腺機能低下症との関連についてはさらなる研究が望まれる。


by otowelt | 2015-04-10 00:02 | びまん性肺疾患

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