COPDに対する吸入ステロイド薬の中止は長期的にはアウトカム悪化のリスク

e0156318_946195.jpg 中等症以上のCOPDでは吸入ステロイド薬のステップダウンがしにくいということでしょう。

Lisette I.Z. Kunz, et al.
Relapse in FEV1-Decline after Steroid Withdrawal in Chronic Obstructive Pulmonary Disease
Chest. 2015. doi:10.1378/chest.14-3091


背景:
 われわれはこれまでにCOPDに対する30ヶ月の吸入ステロイド薬はは1秒量の低下を抑制できると報告してきた。われわれは、長期使用した吸入ステロイド薬を中止することで、1秒量の減少、気道過敏性、QOLが悪化しうるかどうか検証した。

方法:
 113人の中等症~重症COPD患者が6ヶ月(F6)あるいは30ヶ月(F30)のフルチカゾン(500µg, bid)、6ヶ月のフルチカゾン/サルメテロール(FS30)(500/50µg, bid)、プラセボ、にランダムに割り付けられた。その後5年にわたって患者は主治医によって治療を受けた。気管支拡張薬投与後の1秒量、気道過敏性、QOLについてはベースライン、30ヶ月後、その後のフォローアップ時に精査された。解析は線形混合効果モデルによって行われた。

結果:
 ランダム化された101人の患者のうち、79人がフォローアップ期間に登録され、58人がこれを完遂した。吸入ステロイド薬を用いていた患者のうち、フォローアップ時に0~50%の期間しか使用していなかった患者(吸入ステロイド薬減量中断例)では年ごとの1秒量減量が有意に大きかった(差[95%信頼区間]: FS30 -68ml/年[-112 to -25], p=0.002; F30 -73ml/年[-119 to -26], p=0.002)。気道過敏性やOOLについても同様の結果であった。

結論:
 COPDに対する30ヶ月の吸入ステロイド治療後の同薬中断は、呼吸機能、気道過敏性、QOLを5年フォローアップにおいて悪化させる可能性がある。すなわち、吸入ステロイド薬による治療の効果は治療中断後長くは維持されないということを意味している。


by otowelt | 2015-04-20 00:54 | 気管支喘息・COPD

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