ATS2015:IPFに対するピルフェニドンの効果を6ヶ月で判定するのは早い?

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 6ヶ月時点で効果がないと判断するのは早計かもしれません。

S.D. Nathan, et al.
Effect of Continued Treatment with Pirfenidone Following a Clinically Meaningful Decline in Percent Predicted Forced Vital Capacity in Patients with Idiopathic Pulmonary Fibrosis (IPF)
ATS 2015, A15, Mini Symposium


概要:
 特発性肺線維症(IPF)の臨床経過は疾患の進行により個々に異なるため、治療効果の臨床的アセスメントには注意が必要である。この解析では、IPFの第3相試験で努力性肺活量(%FVC)が治療開始6ヶ月で10%以上減少した患者に対する薬物治療の潜在的利益について調べた。IPFの第3相試験であるASCENDあるいはCAPACITY試験でピルフェニドンあるいはプラセボに割り付けられた患者1247人を登録した。これらのうち、%FVCが10%以上減少したすべての患者を登録した。
 その結果、引き続く6ヶ月の間にさらなる%FVCの減少をきたした患者あるいは死亡した患者はピルフェニドン群で少なかった。治療開始初期(6ヶ月時)に%FVCが減少したとしても、その後ピルフェニドンを継続することで%FVCの低下や死亡を防げる可能性が示唆された。


by otowelt | 2015-05-17 22:29 | びまん性肺疾患

近畿中央呼吸器センター 呼吸器内科の 倉原優 と申します。医療従事者の皆様が、患者さんに幸せを還元できるようなブログでありたいと思います。原稿・執筆依頼はメールでお願いします。連絡先:krawelts@yahoo.co.jp


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