出版のお知らせ:ねころんで読める呼吸のすべて および お詫びと訂正

 「ねころんで読める呼吸のすべて ナース・研修医のためのやさしい呼吸器診療とケア」という本をメディカ出版から出版します。告知から1ヶ月が経過してしまったので、発売に合わせて2回目のお知らせです。今回はお詫びと訂正も兼ねさせて下さい。
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発売日 : 2015年6月22日
価格 : 2,000 円 (税別)
出版社 : メディカ出版
著者 : 倉原 優 (国立病院機構近畿中央胸部疾患センター内科)

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・お詫びと訂正
 本書では第1版の刊行にあたり、下記内容の誤りがございました。読者の皆様に謹んでお詫び申し上げますとともに、ここに訂正いたします。


第4 章-5「最も出合いたくない呼吸器疾患」
<訂正箇所>
図13 に関する説明に誤りがございました。
① p.121 下から4 行目
誤)最後に、間質性肺炎の急性増悪の胸部CT 画像をお示しします(図13 上)。
正)最後に、急性間質性肺炎の胸部CT 画像をお示しします(図13 上)。

② p.121 下から2 行目
誤)見ての通り、間質性肺炎の急性増悪の患者さんは、
正)見ての通り、急性間質性肺炎の患者さんは、

③ p.122 図13 タイトル
誤)急性間質性肺炎の急性増悪
正)急性間質性肺炎

 実はこの「間質性肺炎の急性増悪」と「急性間質性肺炎」は天と地ほどの差がある用語です。今回の訂正は、校正にあたり出版社との綿密な疎通がはかれなかった自分の責任ですが、せっかくなのでこれを機に知っていただきたいと思います。
 普段から呼吸器内科の外来をしていると、ほとんどの間質性肺炎はイコール慢性間質性肺疾患です。つまり、慢性で徐々に進行する間質性の病気です(特発性肺線維症、慢性過敏性肺炎、じん肺などなど・・・)。中には亜急性~急性の型をとる間質性肺炎もありますが、一般的にこれらが間質性肺炎として認識されることはそうそうありません。私たちが普段の外来で気を付けているのは、「もともとの間質性肺炎が悪くならないこと」です。この「もともとの間質性肺炎」が何かの原因で急激に悪くなった時、私たちは「間質性肺炎の急性増悪」呼びます。「急性増悪」という言葉は、間質性肺炎に限らず、COPDのような慢性疾患でも使います。とにかく、もともとベースにある安定した病気が急に悪さをすることを私たちは「急性増悪」と呼んでいるのです。普段からイヤイヤ期にある私の長男が、おもちゃ売り場でトミカのプラレールを買ってくれとイヤイヤすること。まさにこれは「イヤイヤ期の急性増悪」です。
 一方、「急性間質性肺炎」はこれそのものが病名です。急性に間質性肺炎を起こす病気全体を表す言葉ではなく、「急性間質性肺炎」という1つの病名なのです。すさまじいスピードで肺の中にびまん性肺胞傷害という病態が起こり、あっという間に呼吸不全に陥る病気です。原因がよくわかっていないため、特発性間質性肺炎の1つとして扱われています。もし未知のウイルスが原因による間質性肺炎だと将来わかれば、○○ウイルス性間質性肺炎といった病名に変わるかもしれません。急性間質性肺炎は一刻を争う状態なので、これを基礎疾患に持つような患者さんは外来にはいません。そのため、「急性間質性肺炎の急性増悪」という言葉は、少なくとも日本の呼吸器診療では使わない用語です。
 初版での訂正につきましては、読者の皆様方に重ねてお詫び申し上げます。

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by otowelt | 2015-06-22 00:30 | 呼吸器その他

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