いびきに対して口腔咽頭エクササイズが有効

e0156318_15502397.jpg 興味深い報告です。過去の報告を踏襲しているのですが、できればオンラインサプリメントとして動画を掲載していただきたかった。 

Vanessa Ieto, et al.
Effects of oropharyngeal exercises on snoring: a randomized trial.
Chest. 2015. doi:10.1378/chest.14-2953


背景:
 いびきは閉塞性睡眠時無呼吸(OSA)を示唆する、日常的によくみられる症状である。しかしながら、いびきはポリソムノグラフィでは客観的に観察できないことがある。いびきに対する根本的な治療法はなく、OSAの軽症例としていびきがどう関連しているかは不明である。この研究は、いびきに対する口腔咽頭のエクササイズの効果を検証したものである。

方法:
 患者はランダムに、鼻腔拡張ストリップ+呼吸運動療法群(コントロール群)あるいは、鼻腔拡張ストリップ+エクササイズ群(介入群)の3ヶ月治療にランダムに割り付けられた。患者は試験登録時および終了時にエプワース睡眠質問票によって評価され、いびきの客観的評価としてポリソムノグラフィを実施された。
 エクササイズは、8分間のものを1日3回行った。このエキササイズは過去の報告に基づいた運動を簡略化したものである(Am J Respir Crit Care Med. 2009 May 15;179(10):962-6.)。
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(口腔咽頭エクササイズ[Am J Respir Crit Care Med. 2009 May 15;179(10):962-6.の論文中動画より引用])

(1)舌の先を硬口蓋にあてて前後に動かす(20回)。
(2)口蓋を舌で押しながら、上に向けた舌を吸い込む(20回)。
(3)下の門歯に舌を当てたまま、口腔床に舌後面をグイっと押し付ける(20回)。
(4)間欠的に「エー(A)」と言いながら、軟口蓋・口蓋垂の拳上を行う(20回)。この動作に慣れたら(3~5週間かかる)、声を出さずに5秒間同拳上をおこなうようにする。
(5)指を使って口腔内から頬筋を外に向かって押す(片側10回ずつ)。
(6)かわるがわる左右の奥歯を噛んで嚥下する。食べながらでもよい。

結果:
 39人の患者を登録した。平均年齢46±13歳、平均BMI28.2±3.1、平均AHI15.3±9.3、平均ESS9.2±4.9だった。コントロール群(20人)および介入群(19人)の患者背景は同等であった。いずれの群も1人だけ脱落者があった。解析はITTとした。
 コントロール群は試験終了時に何ら変化はみられなかったが、介入群はいびきインデックス(36dB/h超:99.5 [49.6-221.3] vs. 48.2 [25.5-219.2], P = .017)および総いびきインデックス(総いびき/h:60.4 [21.8-220.6] vs. 31.0 [10.1-146.5], P = .033)を有意に改善させた。
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(いびきインデックス:文献より引用)

結論:
 口腔咽頭エクササイズは、客観的ないびきの減少に有効であり、いびきに悩んでいる人には治療法となりうるかもしれない。


※「胸膜疾患のすべて 改訂第3版」が登場しています。胸膜疾患のバイブルですね。


by otowelt | 2015-06-05 00:11 | 呼吸器その他

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