ATS2015・NEJM同時発表:アレルギー性気管支喘息に対するSB010の有効性

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 ATSの演題を見てもSB010の発表がないのですが、プレスニュースでは同時期に発表と書いてあったので。違ったらすいません。

Norbert Krug,et al.
Allergen-Induced Asthmatic Responses Modified by a GATA3-Specific DNAzyme
NEJM May 17, 2015DOI: 10.1056/NEJMoa1411776


背景:
 アレルギーが関与する気管支喘息ではTh2細胞による免疫応答が過剰に働き、IL-4、5、13といったサイトカインによって気道炎症が引き起こされる。これらサイトカインを標的とした複数の生物学的製剤の開発が進んでいる。近年、Th2細胞の分化に重要な役割を果たすマスター転写因子のGATA3が注目され、GATA3のmRNAに特異的に結合するようDNAzymeのhgd40を活性物質としたSB010の有効性が注目されている。

方法:
 軽症喘息患者40人を対象とした。年齢は18~64歳。短時間作用性気管支拡張薬の以外の治療を受けていない患者とし、ICS治療を受けている場合は2週間前から中止させた。アレルギー性の確認のため、一般的なアレルゲンの皮膚プリックテストで陽性かつ喀痰中の好酸球が陽性であることを確認した。
 ランダムに40人中21人をSB010群(1日1回10mgを吸入)、19人をプラセボ群にランダムに割り付けた。治療期間は4週間。前後にアレルゲンを吸入する負荷試験を実施。プライマリアウトカムは遅発型喘息反応の程度とした。SB010吸入後に負荷試験を行い、4~7時間後のFEV1のAUC変化を観察。

結果:
 プラセボ群では遅発型喘息反応が1.4%悪化したが、SB010群では33.7%改善した(P=0.02)。即時型喘息反応(時間以内)についても、プラセボ群では10.5%悪化していたのに対してSB010群では11.3%改善した(P=0.03)。4週間の治療後にSB010群ではプラセボ群に比べ負荷試験における喀痰中の好酸球増加が抑制される傾向にあった(P=0.06)。プラセボ群では血中IL-5値の上昇があったが、SB010群では観察されなかった(P=0.05)。

結論:
 アレルギー性の気管支喘息患者において、SB010は遅発型・即時型の喘息反応を有意に抑制した。これはTh2制御のサイトカインが抑制できている可能性を示唆している。


by otowelt | 2015-05-20 07:14 | 気管支喘息・COPD

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