「禁煙に成功したらお金をあげる」は有効か?

e0156318_23175684.jpg 禁煙も金次第・・・。うーむ。

Scott D. Halpern, et al.
Randomized Trial of Four Financial-Incentive Programs for Smoking Cessation
N Engl J Med 2015; 372:2108-2117


背景
 金銭的インセンティブによって多くの健康行動が促進するが、健康インセンティブを与えるのに有効な手法はまだ不透明である。

方法:
 CVSケアマーク社の従業員・家族・友人を、禁煙に対する4のインセンティブプログラムのいずれか、または通常のケアにランダムに割り付けた。インセンティブプログラムのうち2つは個人を対象に、残り2つは6人のグループを対象にした。
 個人用インセンティブプログラムの1つとグループ用インセンティブプログラムの1つに対して、禁煙が達成できれば約800ドルの報酬を支払うこととした。残りのプログラムでは、まず150 ドルの保証金を払ってもらい、禁煙に成功した暁に保証金の払戻しに加え、さらに650ドルの報酬を支払うこととした。

結果:
 本研究には2538人が登録された。
 報酬プログラムに割り付けられた参加者は、90.0%が割り付けを受容した。しかしながら、保証金プログラムに割り付けられた参加者で割り付けを受容したのは13.7%だった(P<0.001)。ITT解析において、6ヶ月禁煙率は4つのインセンティブプログラム(9.4~16.0%)のほうが、通常のケア(6.0%)よりも高かった(P<0.05)。また、報酬プログラムの優越性は12ヶ月維持された。
 グループと個人では、禁煙率は同程度だった(13.7% vs. 12.1%、P=0.29)。報酬プログラムは、保証金プログラムよりも禁煙率が高かった(15.7% vs. 10.2%,P<0.001)。
 前述の割り付け受容率の差を考慮した操作変数法によれば、両プログラムのいずれも受容したであろうと考えられる参加者の13.7%では、保証金プログラムの方が報酬プログラムよりも6ヶ月禁煙率が13.2%ポイント高かった(95%信頼区間3.1~22.8)。

結論:
 禁煙に対するインセンティブ手法として、報酬プログラムは保証金プログラムよりも受け入れられる頻度が大幅に高く、禁煙維持率が高かった。


by otowelt | 2015-06-09 00:48 | 呼吸器その他

<< 心・肺エコーは肺水腫・ARDS... ネタを冷凍しても寿司の味は落ちない >>