心・肺エコーは肺水腫・ARDSとその他の原因を鑑別するのに有用

e0156318_1224232.jpg 肺水腫やARDSを除外するため、肺エコーのB-lineの少なさに着目した実地的な報告です。Mayoクリニックからの報告です。

Hiroshi Sekiguchi, et al.
Critical Care Ultrasonography Differentiates ARDS, Pulmonary Edema, and Other Causes in the Early Course of Acute Hypoxemic Respiratory Failure
Chest. 2015. doi:10.1378/chest.15-0341


背景:
 早期の臨床所見だけで急性低酸素性呼吸不全(AHRF)の病理学的原因はわからないことがある。われわれは、心および胸壁(肺)の超音波(CCUS)の組み合わせが診断にどのくらい寄与するか検証した。

方法:
 2010年1月から9月までの間、ICUに入室した成人患者をプロスペクティブに登録した。患者は、低酸素性イベントないしICU入室の6時間以内の血液ガス分析でP/F比が300未満だったものとした。CCUSは血液ガス分析から6時間以内に行われた。AHRFの原因は、心原性肺水腫(CPE)、ARDS、その他の原因に分けられた。

結果:
 134人の患者が登録された(P/F比中央値191[IQR 122-253])。59人の患者(44%)がCPE、42人の患者(31%)がARDS、33人の患者(25%)がその他の診断を受けた。
 CCUS所見では、B-line比(すべての領域の精査のうち、B-lineが陽性となった領域の比)が低いと、CPEやARDSではなくそのほかの原因であると予測された。AUCは0.82 (95%信頼区間0.75-0.88)だった。
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(文献より引用)

 CPEとARDSの鑑別には、左胸水貯留(>20mm)、中等症ないし重症の左室機能低下、ICV径>23mmが有用で、これらはCPEを予測するものである。AUCは0.79 (95%信頼区間0.70-0.87)。

※B-line陽性:走査領域にB-lineが3本以上

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(鑑別フローチャート:文献より引用)

結論:
 心エコーと肺エコーを組み合わせることでベッドサイドでARDS、CPE、そのほかのAHRFの原因を鑑別することができる。


by otowelt | 2015-06-10 00:57 | 集中治療

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