ネタを冷凍しても寿司の味は落ちない

e0156318_11132683.jpg 筆頭筆者は著名な医師なので、私が取り上げなくともメディカルメディアが取り上げるだろうとワクワクしていたのですが、思ったよりも気付かれていない人が多いようで。
 2ページ目で筆頭著者先生本人の内視鏡写真が出てきたときは、笑ってしまいました。こういう機転ってメジャーな医学雑誌でもOKがもらえるものなんですね。
 ちなみに私は、寿司が食べられません。「えっ!人生の9割損してるよ!」と500回くらい言われたことがあります。

Iwata K, et al.
Is the quality of sushi ruined by freezing raw fish and squid? A randomized double-blind trial with sensory evaluation using discrimination testing.
Clin Infect Dis. 2015 May 1;60(9):e43-8.


背景:
 寿司は、世界中で親しまれている日本の伝統的日本料理である。しかしながら、生魚を扱うことで、アニサキスといったある種の寄生虫感染症のリスクが危惧される。とりわけその報告は日本で最も多いようだ。この感染リスクは冷凍魚によってなくすことができるが、日本人は寿司の味が冷凍によって損なわれると信じているため、魚を冷凍にすることを躊躇する。

方法:
 これは、識別試験(discrimination testing)のランダム化二重盲検試験であり、冷凍(-40℃にし試験前夜に冷蔵庫にうつしたもの)および非冷凍の寿司を日本人が鑑別できるかどうか検証したものである。1対のサバとイカの寿司を用意し、1つは冷凍、1つは非冷凍とし、被験者に与えた。そして、どちらが美味しいかを尋ねた。
 被験者は40人の健康な神戸大学医学生である。40人は盲検化された寿司6皿(6つのサバ寿司、6つのイカ寿司)を食した。寿司と寿司の間に飲むのを許されたのは、水のみであった(“あがり”はダメということですね)。寿司職人は5年を超える経験をもつ2人のプロ板前とした。

結果:
 240のサバ寿司を消費した120皿の識別試験のうち、非冷凍寿司は42.5%(51皿)において美味しいと回答され、冷凍寿司は49.2%(59皿)で美味しいと回答され、8.3%(10皿)は同等と回答した。冷凍寿司よりも非冷凍寿司を「美味しい」と選ぶオッズ比は0.86 (95%信頼区間0.59-1.26; P =0.45)だった。
 一方、イカ寿司について。非冷凍寿司は48.3%(58皿)において美味しいと回答され、冷凍寿司は35.9%(42皿)で美味しいと回答され、16.7%(20皿)は同等と回答した。冷凍寿司よりも非冷凍寿司を「美味しい」と選ぶオッズ比は1.38(95%信頼区間0.93-2.05; P =0.11)だった。

結論:
 冷凍生魚は寿司の味を落とすものではない。これらの結果は、寿司として提供する前に冷凍してもよいとするもので、ひいてはアニサキス感染症の減少にも寄与するかもしれない。


by otowelt | 2015-06-08 00:18 | その他

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