携帯電話市民ボランティア要請システムはバイスタンダーCPR実施率を上昇させる

e0156318_16193746.jpg 生存までは改善しなかったようです。

Mattias Ringh, et al.
Mobile-Phone Dispatch of Laypersons for CPR in Out-of-Hospital Cardiac Arrest
N Engl J Med 2015; 372:2316-2325


背景:
 バイスタンダーによる心肺蘇生(CPR)は、院外心停止患者の生存率の上昇に関連している。われわれは、携帯電話使用者の位置を即座に特定することが可能な携帯電話の測位システムを用いて、院外心停止患者の近くにいるCPRの訓練を受けた市民ボランティアを現場に派遣することで、CPR実施率が上昇するかどうか検討した。

方法:
 スウェーデンのストックホルムにおいて、2012年4月~2013年12月に盲検ランダム化比較試験を実施した。救急・消防・警察に通報されることで起動される携帯電話測位システムを用い、院外心停止患者から 500m以内にいる訓練を受けた市民ボランティアの位置を特定した。その後、ボランティアを患者のところに派遣する群(介入群)と派遣しない群(コントロール群)にランダムに割り付けた。プライマリアウトカムは、救急・消防・警察が到着前のバイスタンダーCPR実施率。セカンダリアウトカムとして30日生存率などを含んだ。

結果:
 CPR訓練を受けた市民ボランティア5989人が登録され、試験期間中に9828人が登録された。院外心停止667件で携帯電話測位システムが起動した。ボランティア介入群46%(306人)、コントロール群54%(361人)だった。バイスタンダーCPR実施率は、介入群62%(305人中188人)、コントロール群48%(360人中 172人)だった(絶対差13.9%ポイント、95%信頼区間 6~21、p<0.001)。両群における生存率に差はみられなかった(絶対差2.6%ポイント、95%信頼区間−2.1~7.8、p=0.28)。

結論:
 CPR訓練を受けた市民ボランティアを派遣するための携帯電話測位システムは、院外心停止患者におけるバイスタンダーCPR実施率を有意に上昇させた。


by otowelt | 2015-06-15 16:07 | 救急

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