Thoracic Ventを用いた気胸の外来治療は医療費を抑制

 日本では、Thoracic Ventはシーマン株式会社が取り扱っています。気胸治療においては革命児とも言える存在です。シーマン株式会社のウェブサイトには動画つきで紹介されていますので、是非ご覧ください。

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(Thoracic vent:シーマン株式会社より許諾を得て使用[http://www.sheen-man.co.jp/product/products_nonvas/kikyou.html])

Tsuchiya T, et al.
Outpatient Treatment of Pneumothorax with a Thoracic Vent: Economic Benefit
Respiration Online First (DOI:10.1159/000381958)


背景・目的:
 高い医療費は医療経済的にゆゆしき問題であるため、コスト対効果がよい治療法が重要である。われわれの病院において、気胸の外来治療をThoracic Ventによって2012年12月から開始した。Thoracic Ventを用いた外来気胸治療は医療費を節約できると考えた。

方法:
 患者は気胸治療に際して、4群に分けられた。
 ①Thoracic Vent+外科手術
 ②Thoracic Ventのみ
 ③通常の胸腔ドレナージ+外科手術
 ④通常の胸腔ドレナージのみ
 われわれは、平均医療費、入院期間、外来受診の頻度を4群で比較した。

結果:
 2年間の研究において、65人の気胸患者のうち36人がThoracic Ventで、29人が通常の胸腔ドレナージで治療された。
 手術を要した患者のうち、Thoracic Ventによる治療を受けた患者は通常の胸腔ドレナージで治療された患者と比べて平均入院期間が短く(5.0±1.3日 vs. 10.3±3.4日; p < 0.0001)、全体的な医療費が少なかった(971,830±81,291.8円 vs 1,179,791.1 ± 198,383.1円、p < 0.0001)。
 手術を要さなかった患者のうち、Thoracic Ventによる治療を受けた患者は通常の胸腔ドレナージで治療された患者と比べて全体的な医療費が少なかった(79,960± 25,643.6円 vs 268,588.8± 94,636.5円、p < 0.0001)。
 重篤な合併症は報告されなかった。

結論:
 外来でのThoracic Ventを用いた気胸治療は有意に医療費を抑制する。この経済的な意義は大きい。


by otowelt | 2015-06-18 00:31 | 呼吸器その他

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