LAMにおける腹腔内のリンパ脈管筋腫は絶食時に小さくなる

e0156318_21492533.jpg 20%前後の日内変動があることを報告した有意義な論文です。

Angelo M. Taveira-DaSilva, et al.
Effect of Fasting on the Size of Lymphangioleiomyomas in Patients with Lymphangioleiomyomatosis
Chest. 2015. doi:10.1378/chest.15-0456


背景:
 リンパ脈管筋腫は孤発性リンパ脈管筋腫症(LAM)患者の38%にみられ、腹部に起こると疼痛や腹囲増大をきたし悪性腫瘍と見誤られることがある。LAMのリンパ行性浸潤は、血清VEGF-Dの上昇と強く関連している。リンパ脈管筋腫は日中にその大きさに変動がみられる。われわれは日中の食事摂取によって乳糜形成とリンパ流の増大をきたし、リンパ脈管筋腫が日内増大する原因になっているのではないかと仮説を立てた。

方法:
 腹部超音波検査と血清VEGF-Dを非絶食下(1日目)および絶食(2日目)の状況でデータ採取した。患者の状態をマスクされた状態で放射線科医がリンパ脈管筋腫の大きさを測定した。Wilcoxon検定により、絶食時の腫瘍径と非絶食時の腫瘍径が比較された。

結果:
 35人の女性が登録された(平均45.2±8.5歳、平均%1秒量82±25%、平均%DLCO 64±25%)。腫瘍径が測定可能であったのは30人だった。
 解析の結果、絶食は腫瘍堆積を平均20.7±39.3 cm3(24±40%)減少させた (p<0.001)。ただし、絶食時のVEGF-D値には非絶食時と比較して有意な差はなかった(10,650±900 pg/ml vs. 12,100±800 pg/ml, p=0.56)。
e0156318_1132469.jpg
(同文献Figure 1.より引用[Chest. 2015. doi:10.1378/chest.15-0456])

結論:
 絶食時にはリンパ脈管筋腫の腫瘍が小さくなる。逆に、食事摂取とLAM細胞による部分的な乳糜管閉塞の合併により腫瘍が大きくなるのかもしれない。絶食時に画像検査をおこなうことは、腫瘍がLAMによるものか悪性によるものか鑑別の一助になるかもしれない。


by otowelt | 2015-06-17 00:18 | びまん性肺疾患

<< Thoracic Ventを用... リファンピシンは35mg/kg... >>