急性好酸球性肺炎の診断・治療経過に肺エコーは有用

e0156318_2331765.jpg AEPの研究ではArmed Forces Capital Hospitalはよく知られています。個人的にはAEPに肺エコーが有用かと問われると、さほど追加的意義はないと考えます。

 AEPの診断基準は近年はPhilitらのものが使われることが多いようですね。症例が少ないのでコンセンサスもへったくれもないのが現実ですが・・・。

<PhilitらのAEP診断基準>
1. 1ヶ月以内の急性発熱性の呼吸器症状
2. 胸部レントゲン写真において両側の浸潤影がみられる
3. BALF中に>25%の好酸球が確認できる、あるいは肺生検において好酸球性肺炎が証明される
4. 薬剤、毒物、感染などの肺好酸球症の原因がはっきりしないもの

(Philit F, et al. Idiopathic acute eosinophilic pneumonia: a study of 22 patients. Am J Respir Crit Care Med. 2002 Nov 1;166(9):1235-9.より引用)

Yoon H, et al.
The utility of thoracic ultrasound in patients with acute eosinophilic pneumonia.
PLoS One. 2015 Apr 20;10(4):e0124370. doi: 10.1371/journal.pone.0124370.
eCollection 2015.


背景:
 肺エコーは、呼吸器疾患の鑑別診断に際して有効な診断モダリティである。しかしながら、急性好酸球性肺炎(AEP)の肺エコー所見あるいはAEP患者での臨床的有用性についてはデータがない。

方法:
 2014年2月から2014年7月までの間、韓国Armed Forces Capital Hospitalを受診したAEP患者に対する肺エコーの臨床的有用性の観察研究を実施した。このうち、気管支鏡検査や肺エコーを含む診断的検査によってAEPが疑われた患者に対して、診断時肺エコー所見および治療経過中の肺エコー所見を胸部レントゲン写真と比較検討した。

結果:
 合計22人のAEP患者が登録された。肺エコーでは全患者に複数かつびまん性の両側性B-lineおよびlung slidingが観察された。治療経過とともにB-lineの数は減少し、lineはうすく見えづらくなった。A-lineは19人の患者で入院7日目に観察され、B-lineは13人で消失した。すべての患者の肺エコー所見は臨床画像所見の軽快とともに14日目には改善した。7日目に胸部レントゲン写真では完全に軽快がみられた5人の患者でも、肺エコーではまだB-lineが観察された。

結論:
 AEP患者では肺エコーで複数かつびまん性の両側性B-lineおよびlung slidingが観察される。AEPの治療反応性を評価する際にも肺エコーは有用である。


by otowelt | 2015-07-06 22:27 | びまん性肺疾患

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