喫煙と敗血症関連ARDSの関連性
2015年 07月 08日
Calfee, Carolyn S, et al.
Cigarette Smoke Exposure and the Acute Respiratory Distress Syndrome.
Critical Care Medicine: doi: 10.1097/CCM.0000000000001089
目的:
敗血症、肺炎、誤嚥といったARDSと密接に関連した病態を持つ患者において、喫煙とARDSの関連性を論じた報告は少ない。この研究の目的は、バイオマーカーで同定した喫煙歴とARDSの関連について調べることである。
方法:
三次医療施設におけるプロスペクティブコホート研究である。426人のARDSリスク因子のある患者を登録した。
結果:
われわれは患者から喫煙歴の情報および尿中4-メチルニトロソアミノ-1-3-ピリジル-1-ブタノール(喫煙バイオマーカー)のデータを得た。喫煙歴とARDSの関連についてはリスク因子ごとに関連性がみられた。肺外の原因による敗血症のARDSリスク因子がある患者(212人)では、ARDS患者の39%が喫煙者で、非ARDS患者の22%と比較して多かった(オッズ比2.28; 95%信頼区間1.24-4.19; p = 0.008)。また、尿中4-メチルニトロソアミノ-1-3-ピリジル-1-ブタノールによる喫煙曝露は有意にARDSと関連していた。同尿検査では、敗血症以外の原因(肺炎、誤嚥)によるARDSとの関連性はみられなかった。
結論:
病歴および尿検査による喫煙曝露は、肺外の原因による敗血症のARDSリスクを上昇させた。
by otowelt
| 2015-07-08 00:18
| 集中治療