乳幼児期の交通関連大気汚染はその後の喘鳴のリスクだが、喘息発症には高レベル曝露が必要

e0156318_8512590.jpg wheezing(喘鳴)はMartinez分類です。聴診所見のwheezesとは少し使い方が違う単語です。

Kelly J Brunst, et al.
Timing and Duration of Traffic-Related Air Pollution Exposure and the Risk for Childhood Wheeze and Asthma
Am J Respir Crit Care Med. First published online 24 Jun 2015 as DOI:10.1164/rccm.201407-1314OC


背景:
 交通に関連した大気汚染(traffic-related air pollution:TRAP)の曝露のタイミングや期間は、小児の喘鳴や喘息の発展に重要かもしれない。

目的:
 われわれは、TRAP曝露と7歳時における喘鳴フェノタイプおよび喘息の関連性を調べた。

方法:
 小児は1歳から4歳までの間毎年臨床検査を受け、その後は7歳時に検査を受けた。両親が報告した喘鳴が各年齢で調査され、7歳時の喘鳴フェノタイプ(早期一過性、遅発性、持続性)と喘息の診断がこころみられた。出生後から7歳までの間のTRAP曝露についてはland-use regression modelを用いて推定(地理的情報と回帰モデルから分布を予測)。また、TRAP曝露と喘鳴フェノタイプ・喘息の関連性が評価された。

結果:
 出生時にTRAP曝露が多い場合、有意に早期一過性および持続性の喘鳴フェノタイプの増加と関連していた(早期一過性:補正オッズ比1.64、95%信頼区間1.04-2.57、持続性:補正オッズ比2.31、95%信頼区間1.28-4.15)。同様に、出生後~1歳および1歳~2歳の曝露は持続性喘鳴と関連していた。
 出生後から7歳まで平均TRAP曝露が高い小児だけ、有意に喘息発症が増加した(補正オッズ比1.71, 95% 信頼区間1.01-2.88)。
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(図は文献より引用:Figure 1.[Am J Respir Crit Care Med. DOI: 10.1164/rccm.201407-1314OC])

結論:
 生涯の早期にTRAPに曝露されることは、持続性喘鳴のリスクを増加させるが、長期的に高レベルのTRAPにさらされた場合にのみ喘息発症を引き起こす。


by otowelt | 2015-07-10 00:32 | 気管支喘息・COPD

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