赤ちゃんを動物の毛皮の上に寝かせるとよい?

e0156318_1313277.jpg 衛生仮説に関する論文です。劇的に喘息やアトピーを予防できる印象はありません。さすがに「赤ちゃんは動物の毛皮で寝かせなさい」とまでは論文中に書いていません。
 自分の子どもの環境については、あまり衛生にも不潔にもし過ぎず、といった感じです。

Christina Tischer, et al.
Sleeping on animal fur is related to asthma outcomes in later childhood
ERJ July 1, 2015 vol. 46 no. 1 107-114


背景:
 動物の毛皮は、免疫の発達に重要な時期のさまざまな微生物に曝露する“代わり”になるかもしれない。われわれは、就寝時に動物の毛皮で寝かせることが10歳までの喘息やアトピーと関連するのかどうか調べた。

方法
 LISAplusコホートに参加し、解析に組み込まれたのはドイツ人の小児2441人である。動物の毛皮への曝露、その他の因子や健康アウトカムを両親から得た。空気中のアレルゲンに対する特異的IgE抗体は10歳時に採取した。サイトカイン産生末梢血T細胞は2歳時、3歳時にサブグループ児で採取した。

結果:
 動物の毛皮に寝かせる行為はよく行われていた(全体の55%)。ロジスティック回帰分析において、動物の毛皮の上での睡眠は4歳時の再発性早期喘鳴と逆相関していた(補正オッズ比0.75, 95%信頼区間0.61–0.93)。また、6歳時の喘息とも逆相関の傾向があった(補正オッズ比0.56, 95%信頼区間0.31–1.01)(モデル2:性別、スタディデザイン、児の布団からのエンドトキシン増加IQR、両親のアレルギー既往、両親の教育水準、出生時のペット飼育によって補正)。
 さらに、出生後3ヶ月まで動物の毛皮で寝かせることで、2歳時のインターフェロンγ産生T細胞の数が増えた(補正平均比1.21, 95%信頼区間1.00–1.47; p=0.05)。3歳時ではライプツィヒの児のみのサブグループ解析であったが、これもインターフェロンγ反応性が良好であった(補正平均比1.17, 95%信頼区間1.06–1.29)。

結論:
 動物の毛皮は微生物曝露に関連した環境づくりに有効となりうる。


by otowelt | 2015-07-15 00:42 | 気管支喘息・COPD

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