新生児難治性乳び胸に対するポビドンヨード胸膜癒着術の有効性

 胸膜癒着術について調べていたときに行き当たった論文です。成人でもポビドンヨード胸膜癒着術は注目を集めていますが、効果は不明です。

Scottoni F, et al.
Pleurodesis with povidone-iodine for refractory chylothorax in newborns: Personal experience and literature review.
J Pediatr Surg. pii: S0022-3468(15)00317-6. doi: 10.1016/j.jpedsurg.2015.03.069.


背景:
 新生児の難治性乳び胸は重要な臨床的問題である。これまでの治療アプローチは、中鎖脂肪酸やTPNによる栄養療法が主体であった。非反応性の場合には、セカンドライン治療として胸膜癒着術、胸管結紮、シャント作成、胸膜切除術などが挙げられるが、これらのうちどれが効果的かつ安全かという結論はない。この研究の目的は、治療反応性が不良な新生児乳び胸に対してポビドンヨードによる胸膜癒着術が姑息的治療として有効かどうかを検証するものである。

方法:
 2013年から、治療反応性が不良な難治性乳び胸の新生児に対してポビドンヨードによる胸膜癒着術をおこなった(少なくともTPNおよびオクトレオチド最大量を10日間投与しても反応しないケース)。胸膜癒着術は4%のポビドンヨードを2mL/kg注入した。その後、胸腔ドレーンは4時間クランプした。

結果:
 5人の患者が難治性乳び胸に対して胸膜癒着術を受けた。5人中4人が1度のみのポビドンヨード注入をおこなった。軽快までの中央期間は4日であった。1人の上大静脈血栓のある患者は胸膜癒着に反応しなかった。治療による有害事象は観察されなかった。

結論:
 新生児の難治性乳び胸に対するポビドンヨードによる胸膜癒着術は効果的かつ安全である。


by otowelt | 2015-07-28 00:51 | 呼吸器その他

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