BeLieVeR-HIFi試験:気管支バルブによる肺容量減量術は気腫肺の呼吸機能を改善

e0156318_1825266.jpg 気管支鏡的肺容量減量術は、この先数十年かけてさらに進歩する治療法だと思っています。
 重症気腫肺の生存予後を改善し安全性が確立されれば、メインストリームに躍り出る可能性もあります。ただ、手間がかかるのは否めません。

Claire Davey, et al.
Bronchoscopic lung volume reduction with endobronchial valves for patients with heterogeneous emphysema and intact interlobar fi ssures (the BeLieVeR-HIFi study): a randomised controlled trial
Lancet. 2015 Jun 23. [Epub ahead of print]


背景:
 肺容量減量手術(Lung volume reduction surgery:LVRS)は、気腫のある患者の一部で生存を改善することがわかっており、気管支鏡的に減量術を行うことで同様の効果があるのではないかと期待されている。側副換気があれば葉の無気肺を予防できるという理由から、気管支バルブは有効とされている。

方法:
 単施設における二重盲検シャム対照試験をCOPD患者に対して実施した。胸部CTにおいて、規定された切片で不均一な気腫性病変があるものとした(いわゆるheterogeneous emphysema)。葉間裂に異常がみられる分葉不全ケースは除外している。COPDは安定期の外来症例のみとし、1秒量が予測値の50%未満で、過膨張(全肺気量>100%および残気量>150%)がみられ、運動耐容能の低下(6分間歩行距離が450m未満)、呼吸困難感があるもおの(MRCスコア3点以上)と規定した。気管支バルブはZephyrバルブを用いた。
 患者はランダムに1:1に、片側の葉を閉塞させる気管支バルブを留置する群と、シャムバルブを留置する群(コントロール群)にランダムに割り付けられた(ブロックランダム化)。患者および研究者は、どちらのバルブを留置したのかマスクされた。

結果:
 2012年3月1日から2013年9月30日までの間、50人の患者(62%が男性、平均BMI24.5±4.8、平均%1秒量31.7±10.2%、平均MRCスコア4±1、平均6分間歩行距離338±87m)が気管支バルブ群(25人)、コントロール群(25人)にランダムに割り付けられた。気管支バルブ群では、1秒量は中央値で8.77%増加(IQR 2.27–35.85)し、コントロール群の2.88% (IQR 0–8.51)よりも統計学的に有意であった(Mann-Whitney p=0.0326)。
e0156318_171297.jpg
(文献より引用)

 %全肺気量(TLC)も有意に改善したが、残気量には影響はなかった。MRCスコアを改善することはできなかった。ただし、6分間歩行距離に関しては有意な改善がみられた(+25m vs. 3m, p=0.0119)。

結論:
 heterogeneous epmysemaを有するCOPD患者に対して、気管支バルブを用いた容量減量術は有意に呼吸機能の改善をもたらした。


by otowelt | 2015-07-16 00:14 | 気管支鏡

<< MAC症の菌種別検討:Myco... 赤ちゃんを動物の毛皮の上に寝か... >>