COPD発症にいたる呼吸機能の変化

e0156318_23175684.jpg 呼吸器内科医の間では有名なコホートからの報告です。

Peter Lange, et al.
Lung-Function Trajectories Leading to Chronic Obstructive Pulmonary Disease
N Engl J Med 2015; 373:111-122


背景
 COPDは、1 秒量(FEV1)の経年的低下が加速することによって起こると考えられている。しかしながら、最大到達FEV1(maximally attained FEV1)が標準を下回る人では、FEV1の低下率がたとえ正常範囲内であってもCOPDを発症する可能性がある。

方法:
 3つの独立コホート(Framingham Offspring Cohort、Copenhagen City Heart Study、Lovelace Smokers Cohort)の参加者を、登録開始時(平均年齢約40歳)の呼吸機能(%FEV1が80%以上あるいは80%未満か)と、最終受診時のCOPDの発症有無によって層別化した。その後、登録開始時のFEV1と研究終了時のCOPDの発症有無を参考に、参加者のFEV1経年的低下率を調べた。

結果:
 平均で22年観察した段階でCOPDを発症していたのは、40歳前%FEV1が80%未満であった657人のうち174人(26%)、80%以上であった2207人のうち158人(7%)だった(P<0.001)。
 観察期間が終了した時点でCOPDを発症していた332人のうち、約半数は40歳前FEV1が正常で、その後急速に低下していることがわかった。FE1低下率の平均は53±21 mL/年だった。残りの半数では、40歳前FEV1が低く、喫煙曝露は同程度であってもFEV1低下率の平均は27±18 mL/年だった(P<0.001)。

結論:
 早い段階でのFEV1低値がCOPDの発症に重要であり、FEV1の急速な低下がCOPDに必ずみられる特徴というわけではない。


by otowelt | 2015-07-23 00:00 | 気管支喘息・COPD

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