出生体重と成人呼吸機能減少の関連性

e0156318_1094418.jpg 非常に長い期間を要する研究なので、なかなかお目にかかれない報告です。

Yutong Cai, et al.
Birth weight, early childhood growth and lung function in middle to early old age: 1946 British birth cohort
Thorax doi:10.1136/thoraxjnl-2014-206457


概要:
 過去の研究では、出生体重と成人呼吸機能の関連性については意見が一致していない。出生体重と成人呼吸機能の減少のデータは不足しており、この関連性を示した研究はほとんどない。
 1946年イギリス出生コホート研究に含まれた成人で、43歳、53歳、60~64歳時点で1秒量と努力性肺活量を測定した。
 1秒量を測定した3276人、努力性肺活量を測定した3249人が登録された。女性では、出生体重と努力性肺活量減少の関連性は年齢とともに減少した。出生体重が1kg増えるごとに、努力性肺活量は43歳時点で平均66.3mL(95%信頼区間0.5-132)増えた。しかしながら、53歳および60~64歳時点ではこの有意差は消失した。同様の関連性は1秒量でも観察されたが、補正を行うと43歳以降の線形変化(減少)は統計学的に有意でなくなった。一方男性においては、出生体重との関連性は観察されなかった。男女を合わせて解析すると、出生早期に体重獲得が多いことで1秒量が43歳時点でより多くなった。
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(文献より引用:Table 4)

※「early life covariates」は、2歳時点の体重増加、2歳未満での下気道感染症の既往、4歳時点の社会階層、という3因子を表します。

 出生体重は中年(特に女性)の呼吸機能と相関していたが、生涯にわたる環境からの影響の関与もあってか、年齢とともにこの関連性は薄れていった。


by otowelt | 2015-07-30 00:51 | 呼吸器その他

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