実臨床でIPF急性増悪の診断にBALは必要か?

e0156318_9301181.jpg IPF急性増悪を疑った患者さんに対して、生理食塩水を流し込むのはなかなかリスキーです。

Petrosyan F, et al.
Role of bronchoalveolar lavage in the diagnosis of acute exacerbations of idiopathic pulmonary fibrosis: a retrospective study.
BMC Pulm Med. 2015 Jul 10;15:70.


背景:
 IPFで安定期にある患者であっても臨床的な増悪、いわゆるIPF急性増悪を経験することがある。われわれは、呼吸器感染症は臨床検査データによって除外でき、気管支肺胞洗浄(BAL)は診断ワークアップに無理に行わなくてよいという仮説を立てた。

方法:
 このレトロスペクティブ研究において、われわれは2002年から2011年までの間IPF急性増悪と診断された急性呼吸不全の患者を調べた。

結果:
 77人の患者が適格基準を満たした。

・IPF急性増悪:47人
・呼吸器感染症:14人
・IPF増悪:5人
・慢性心不全:2人
・NSIPフレア:2人
・低血糖+呼吸不全:1人
・COPD急性増悪:1人
・肺血栓塞栓症:1人
・経気管酸素カテーテルの異常:1人
・縦隔気腫:1人
・虚血性心疾患:1人
・気管支腫瘍:1人

 47人(61%)はIPF急性増悪と診断されていた。気管支鏡は、細胞傷害性のある薬剤を用いている患者でよく行われていた(p < 0.05)。呼吸器感染症のある患者と比較すると、IPF急性増悪と診断されていた患者の診断根拠は、微生物学的検査、臨床検査、画像検査、臨床総合判断のことが多かった。呼吸器感染症と診断された14人中10人(71%)の患者は、入院時にステロイドを投与されていた(p = 0.024, オッズ比7.817, 95%信頼区間1.31-46.64)。
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(リスク因子別解析:IPF急性増悪の診断[Table4]/呼吸器感染症の診断[Table5][文献より引用])

結論:
 われわれの施設ではIPF急性増悪の診断は気管支鏡以外の検査によって呼吸器感染症を除外することで診断されていた。


by otowelt | 2015-08-04 00:28 | びまん性肺疾患

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