SAPALDIA研究:成人の気管支喘息は女性に多い

e0156318_1047122.jpg 私の記憶が正しければ、小児喘息は男児に多いとされています。

Sofie Hansen, et al.
Gender differences in adult-onset asthma: results from the Swiss SAPALDIA cohort study
ERJ July 23, 2015 ERJ-02278-2014


背景:
 成人気管支喘息は女性の方が男性よりも多いとされているが、後期成人期におけるエビデンスはほとんどない。われわれは、スイスの成人気管支喘息の20年累積罹患率を調べた。また、性別、加齢、アレルギー感作との関連性についても調べた。

方法:
 元来気管支喘息を有さない18~60歳の5128人を対象に、医師に診断された気管支喘息であると自己申告した頻度を1991/1992年および2010/2011年に調べた。医師の診断は2つの質問によって「Yes」と答えたものとした:「Have you ever had asthma?」「Was this confirmed by a doctor?」。
 年齢に関連した気管支喘息発症確率は、性別、BMI、両親の喘息既往、幼少期の気道感染症、職業性曝露、地域によって補正したロジスティック回帰分析で調べられた。また、性別やベースラインのアレルギー感作によって層別化した。アレルギー感作の検査には、皮膚プリックテストあるいはPhadiatopテストを用いた。

結果:
 20年の間に、128人(5.1%)の男性および198人(7.5%)が新しく気管支喘息と診断された。全調査対象での解析では女性における気管支喘息発症の補正オッズ比は1.99(95%信頼区間1.54–2.57)であり(性別、年齢、アレルギー感作、喫煙歴、BMI、両親の喘息既往、幼少期の気道感染症、職業性曝露、教育、地域によって補正)、アレルギー感作のない人においては3.21(95%信頼区間2.12–4.85)、アレルギー感作のある人においては1.43 (95%信頼区間1.02–2.02)であった。
e0156318_1044162.jpg
(文献より引用:Figure 2)

 気管支喘息発症の確率は、ベースラインから加齢とともに減っていったが、これは女性のみにみられる現象であり、男性での経時的減少は観察されなかった。アレルギー感作の無い男性と比べるとアレルギー感作のある男性では新規発症の気管支喘息の頻度は年齢とは関連性がなく、女性ではやはり加齢とともに頻度は減った。

結論:
 気管支喘息は男性よりも女性におおくみられるが、加齢ととともに減少することがわかった。特に、アレルギー感作のない成人では、突出して女性に気管支喘息が多い。


by otowelt | 2015-08-06 00:20 | 気管支喘息・COPD

<< 石綿曝露に対するN-アセチルシ... 栄養障害や肺炎合併はインフルエ... >>