石綿曝露に対するN-アセチルシステインは炎症・酸化ストレスを軽減しない

e0156318_23172916.jpg 石綿に対するN-アセチルシステインの報告です。いわゆる、“negative study”です。

Helman Alfonso, et al.
Effect of N-acetylcysteine supplementation on oxidative stress status and alveolar inflammation in people exposed to asbestos: A double-blind, randomized clinical trial
Respirology, Article first published online: 14 JUL 2015, DOI: 10.1111/resp.12592


背景および目的:
 無症状の石綿曝露を受けた人には炎症反応が観察されうる。しかしながら、石綿肺を発症する前に炎症を軽減したり酸化反応を軽減する治療のエビデンスはない。われわれは、N-アセチルシステイン(NAC)がこの効果を有するかどうか調べた。

方法:
 二重盲検ランダム化プラセボ対照試験をおこない、1800mg/日のNACを経口投与で4か月投与する効果を調べた。これは原理証明試験である。プライマリエンドポイントは炎症あるいは酸化反応とした。血清混合チオール(システイン、システイニルグリシン、グルタチオン、ホモシステイン)がNAC補充のモニターとして用いられた。

結果:
 登録された被験者は平均年齢63歳で、胸膜プラークは4人に1人観察された。半数が喫煙歴を有していた。
 ランダムに34人がNAC、32人がプラセボに割り付けられた。血清混合チオールは両群とも同等であった。炎症性あるいは酸化ストレスのエンドポイントについても両群に差はみられなかった。有害事象は報告されなかった。

結論:
 石綿曝露を受けた人に対するNACの補充が血清混合チオールの増加をもたらすことはなかった。また、炎症性あるいは酸化ストレスに対する影響も観察されなかった。


by otowelt | 2015-08-07 00:58 | 呼吸器その他

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