アメリカの年間市中肺炎発生率は約25人/1万人、高齢者ほど多い

e0156318_1715279.jpg 高齢者になると発生率が急激に上昇します。

Seema Jain, et al.
Community-Acquired Pneumonia Requiring Hospitalization among U.S. Adults
N Engl J Med 2015; 373:415-427


背景:
 市中肺炎は、アメリカの成人の入院・死亡の主原因の1つである。胸部レントゲン写真や最新の臨床検査で診断された肺炎の発生率がどの程度か必要とされている。

方法:
 アメリカのシカゴおよびナッシュビルの5施設で、18歳以上の成人の入院を要する市中肺炎について、人口ベースのサーベイランスをした。最近入院した患者、高度免疫抑制状態の患者は除外とした。培養、血清学的検査、抗原検査、分子診断検査のために血液、尿、呼吸器検体を採取した。放射線科医が胸部レントゲン写真を再検討した。人口ベースでの入院を要する市中肺炎の発生率を、年齢別、病原体別に調べた。

結果:
 2010年1月から2012年6月までの間に、3634人のうち適格基準を満たした2488人(68%)を登録。胸部レントゲン写真で肺炎が観察されたのは2320人(93%)で、中央値で57歳(IQR 46~71)だった。498人(21%)が集中治療を要し、52人(2%)が死亡した。胸部レントゲン写真で肺炎があり、なおかつ細菌検査とウイルス検査の両方に検体を用いることができた2259人のうち、病原体は853人(38%)で検出された。ウイルスが530人(23%)、細菌が247人(11%)、細菌・ウイルス両方が59人(3%)、真菌または抗酸菌が17人(1%)。検出された病原体で多かったのは、ライノウイルス(9%)、インフルエンザウイルス(6%)、肺炎球菌(5%)だった。肺炎の年間発生率は成人1万人あたり24.8人(95%信頼区間 23.5-26.1)で、65~79歳(1万人あたり63.0人)と80歳以上(1万人あたり164.3人)で特に高かった。発生率は年齢とともに上昇した。

結論:
 入院を要する市中肺炎の発生率は、高齢者層で最も高かった。多くの患者では病原体は検出されなかった。細菌よりも呼吸器系のウイルスが多く検出された。


by otowelt | 2015-08-10 00:29 | 感染症全般

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