胸部CTで気腫肺があるCOPD患者のうち10.4%は閉塞性換気障害をきたさない

e0156318_23175684.jpg 1か月前の論文ですが、COPDの勉強をしている最中に読ませていただきました。

Sanjiva M. Lutchmedial, et al.
How Common Is Airflow Limitation in Patients With Emphysema on CT Scan of the Chest?
Chest. 2015;148(1):176-184.


背景:
 COPD、GOLD基準あるいはATS/ERS基準(LLN)によって呼吸機能検査で不可逆的な気流閉塞が存在するということで定義されてきた。COPDの患者で胸部CTで気腫性変化を観察しても、呼吸機能検査で閉塞性障害のない患者が存在する。この研究の目的は、CTで気腫性変化がある患者のうちGOLD、LLN基準に該当する頻度を調べ、放射線学的基準がCOPDの臨床診断と関連するかどうか調べることである。

方法:
 われわれは2011年にバーモント大学で胸部CTを撮影され気腫肺があると診断された患者の診療録、呼吸機能検査をレトロスペクティブに調べた。呼吸機能検査基準とCTの気腫性変化を臨床的COPDと比較検討した。

結果:
 胸部CTで気腫肺がみられたのは274人だった。GOLD基準では閉塞性障害は228人(83%)にみられ、LLN基準では206人(75%)にみられた。しかしながら、CTで気腫性変化があって臨床的にCOPDと診断されているにも関わらず、GOLD基準で19人(6.9%)、LLN基準で38人(13.9%)(平均10.4%)が正しく診断されていなかった。肥満患者ではLLNあるいはGOLDの分類で閉塞性障害の頻度が少なかった。閉塞性障害と診断された患者では、気腫性変化が強く気道壁が厚かった。臨床的なCOPD診断と関連する独立予測因子は、%FVC、1秒率低値、気道壁の厚さであった。

結論:
 胸部CTで気腫肺を有するCOPD患者のうち、10.4%が呼吸機能検査で閉塞性障害をきたさない。


by otowelt | 2015-08-12 00:59 | 気管支喘息・COPD

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