気管支喘息の患者が喫煙をすると発作だけでなく心血管・死亡のリスクも上昇

e0156318_23175684.jpg 「たばこ、ダメ、絶対!」というのは医学的には揺るぎない正論なのであります。

Çolak Y, et al.
Characteristics and Prognosis of Never-Smokers and Smokers with Asthma in the Copenhagen General Population Study. A Prospective Cohort Study.
Am J Respir Crit Care Med. 2015 Jul 15;192(2):172-81.


背景:
 気管支喘息の中には合併症、心血管系へ依存症、高い死亡率と関連している患者がいる。

目的:
 この研究は、気管支喘息の患者の中にも非喫煙者と喫煙者で異なる特徴があり、喫煙者と比較して非喫煙者の予後が良いのではないかとする仮説を調べたものである。

方法:
 プロスペクティブコホートであるCopenhagen General Population Studyから20~100歳の94079人を登録した。これらの人のうち、5691人(6%)が自己申告での気管支喘息を有していた(2304人が非喫煙者、2467人が既往喫煙者、920人が現喫煙者)。呼吸器症状、呼吸機能、炎症、アレルギーのバイオマーカーを血液検査で調べた。さらに、気管支喘息、COPD急性増悪、肺炎、肺癌、虚血性心疾患、虚血性脳梗塞、全死亡を4.5年のフォローアップ期間中に調べた。

結果:
 気管支喘息の無い非喫煙者と比較して、気管支喘息の患者は呼吸器症状、気流制限、炎症・アレルギーのバイオマーカーが高値であったが、喫煙者では顕著であった。気管支喘息の無い非喫煙者と比較して、喘息発作の多変量補正ハザード比は、非喫煙喘息患者で11(95%信頼区間5.8-22)、既往喫煙喘息患者で13 (95%信頼区間6.2-29)、現喫煙喘息患者で18 (95%信頼区間8.2-39)であった。同様に、COPD急性増悪に対してはそれぞれ8.9 (95%信頼区間2.1-38), 23 (95%信頼区間8.8-58), 36 (95%信頼区間12-105)、肺炎に対してはそれぞれ1.5 (95%信頼区間0.9-2.2), 1.6 (95%信頼区間1.0-2.4), 2.4 (95%信頼区間1.6-3.7)、肺癌に対してはそれぞれ0.6 (95%信頼区間0.1-5.1), 4.0 (95%信頼区間1.3-12), 13 (95%信頼区間4.3-41)、虚血性心疾患に対してはそれぞれ1.2 (95%信頼区間0.9-1.6), 1.5 (95%信頼区間1.2-2.0), 2.0 (95%信頼区間1.4-2.9)、虚血性脳梗塞に対してはそれぞれ1.4 (95%信頼区間0.9-2.1), 1.2 (95%信頼区間0.8-1.9), 3.0 (95%信頼区間1.7-5.3)、全死亡に対してはそれぞれ0.9 (95%信頼区間0.6-1.3), 1.5 (95%信頼区間1.1-2.0), 2.7 (95%信頼区間1.9-3.7)だった。
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(文献より引用:Figure 4.)

結論:
 非喫煙喘息患者では、喘息発作やCOPD急性増悪のリスクが高くなる、肺炎についても然りであろう。重要なことだが、喫煙喘息患者に限っては肺癌、心血管系合併症、死亡のリスクが高くなる。気管支喘息の患者が喫煙をすると予後が不良になるという説明ができるかもしれない。


by otowelt | 2015-08-19 00:14 | 気管支喘息・COPD

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