GLUCOLD試験:COPDに対する長期吸入ステロイド薬を中断すると、その後1秒量の低下を抑制できない

e0156318_8342322.jpg WISDOM試験(N Engl J Med. 2014;371(14):1285-94.)においても、吸入ステロイド薬中止後に1秒量が低下することがわかっています。WISDOM試験は6週間のICSについての報告でした。他にもCOSMIC試験(Thorax. 2005;60(6):480-7.)、COPE試験(Am J Respir Crit Care Med. 2002;166(10):1358-63.)でも呼吸機能の低下やQOLの悪化が報告されています。
 このGLUCOLD試験は長期間のICS離脱について報告したものです。

Lisette I. Z. Kunz, et al.
Relapse in FEV1 Decline After Steroid Withdrawal in COPD
Chest. 2015;148(2):389-396. doi:10.1378/chest.14-3091


背景:
 われわれはこれまで、吸入ステロイド薬(ICS)の30ヶ月治療がCOPD患者で1秒量減少を緩和させるという報告をしたが、ICS中止後に再び1秒量低下が再発するのかどうかわかっていない。われわれは、長期使用したICSを中止した後に1秒量の減少、気道過敏性、QOL悪化が悪化するという仮説を立てた。

方法:
 114人の中等症~重症COPD患者をランダムに6ヶ月あるいは30ヶ月のフルチカゾン(250μg1日2回)、30ヶ月治療のフルチカゾン/サルメテロール(250/25μg1日2回)、プラセボに割り付けた(GLUCOLD試験:GL1)。その後5年、患者は外来フォローアップされ、主治医によって治療を受けた(GLUCOLDフォローアップ試験:GL2)。気管支拡張薬投与後の1秒量、気道過敏性(メサコリンPC20)、QOLがベースラインで記録され、30ヶ月後(GL1)、外来フォローアップ(GL2)と比較された。解析は線形混合効果モデルを用いた。

結果:
 GL1の101人患者のうち、79人がGL2試験を開始し完遂したのは58人だった。GL1でICSを使用していたもののGL2ではICSを半分以下に減薬中断した(0~50%)患者(56人が全く使用せず)は、有意に1秒量の減少がGL1と比べて悪化した(差・・・GL2-GL1 [95%信頼区間]: 30ヶ月フルチカゾン/サルメテロール −68 mL/年 [−112 to −25], P = .002; 30ヶ月フルチカゾン−73 mL/年 [−119 to −26], P = .002)。ICSを全くGL2において使用しなかった場合、その差はさらに顕著となった(差・・・GL2-GL1[95%信頼区間]:30ヶ月フルチカゾン/サルメテロール-106 mL/年 [ -171 to -41]; P =.002;30ヶ月フルチカゾン-84 mL/年[-149 to -18]; P= .01)。
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(文献より引用:Figure2B)

 この結果とともに気道過敏性やQOLの悪化もみられた。

結論:
 COPD患者に対する30ヶ月間のICSを治療した後に中断し5年間フォローアップを行うと、呼吸機能の減少は悪化し、気道過敏性やQOLも低下した。ICSは治療中断後に持続的な効果を有さないことが示唆された。


by otowelt | 2015-08-24 00:01 | 気管支喘息・COPD

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