気管支拡張症に対する吸入薬の使用は血痰のリスク

e0156318_2302539.jpg 気管支拡張症に対して吸入薬を用いると、血痰リスクが上昇するという報告です。個人的にはあまり処方していません。

Eun Jin Jang, et al.
Association between inhaler use and risk of haemoptysis in patients with non-cystic fibrosis bronchiectasis
Respirology, Article first published online: 21 AUG 2015, DOI: 10.1111/resp.12618


背景および目的:
 非嚢胞性線維症(non-CF)気管支拡張症の気流制限を有する患者には吸入薬が広く用いられている。しかしながら、吸入薬の使用と血痰の関連性についてはほとんど調べられていない。この研究の目的は、血痰のリスクとnon-CF気管支拡張症の患者に対する吸入薬の使用の関連性を調べることである。

方法:
 この症例対照研究では2009年1月1日から2011年12月31日のデータベースを用いて、ICS、LABA、LAMA、SABA、SAMAを用いたことによって臨床的に有意な血痰イベントを呈した例を集め解析した。

結果:
 non-CF気管支拡張症に対して吸入薬を用いた62530人を登録し、そのうち6180人が血痰を呈した。マッチさせた27486人のコントロール患者と比較した。非補正解析では、SAMA、LAMA、SABA、ICS/LABAは有意に血痰のリスクを増加させた。他の吸入薬の使用、合併症、医療機関因子、併用薬の使用によって補正すると、SAMA、SABA、LAMAはやはり血痰のリスクを増加させた(SAMA:オッズ比1.6; 95%信頼区間1.1–1.4; LAMA:オッズ比1.2; 95%信頼区間1.1–1.2; SABA:オッズ比1.2; 95%信頼区間1.1–1.2)。抗コリン薬の使用によって血痰は用量依存性にリスクが上昇した(P for trend, <0.001)。

結論:
 non-CF気管支拡張症に対するSABAの使用、吸入抗コリン薬の使用は血痰のリスクを上昇させる。血痰の出やすい患者に対してはリスク-ベネフィット比を考慮して処方しなければならない。


by otowelt | 2015-09-07 00:04 | 呼吸器その他

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