クリゾチニブに関連した肺障害は予後不良因子?

e0156318_10111651.jpg ザーコリによる間質性肺炎の話題です。

Créquit P et al.
Crizotinib Associated with Ground-Glass Opacity Predominant Pattern Interstitial Lung Disease: A Retrospective Observational Cohort Study with a Systematic Literature Review.
J Thorac Oncol. 2015 Aug;10(8):1148-55.


背景: 
 クリゾチニブはALK融合遺伝子変異をターゲットにした経口チロシンキナーゼ阻害薬で、非小細胞肺癌(NSCLC)に対して無増悪生存期間(PFS)の延長が示されている。重篤な間質性肺疾患(ILD)の発症は、ッ重大な有害事象の1つであり、ランダム化比較試験およびケースレポートで報告されている。

方法:
 2011年9月にクリゾチニブに関連したILDを同定した。当該症例について、2010年から2013年までの間に臨床的特徴、CT画像所見を調べ、ILDを起こさなかった患者と比較検討した。系統的な文献検索も行った。

結果:
 研究期間中に29人のNSCLC患者がクリゾチニブの治療を受け、6人がILDを発症した。肺に対する有害事象は2つのタイプが観察された。1つ目は、治療1ヶ月以内に起こる致命的なもの(1人)、2つ目は、そこまで重篤ではなく遅発性に起こるものである(5人)。後者はほとんど臨床症状がないが、CTではスリガラス影がみられ、BALではリンパ急性胞隔炎を起こしていた。これらの症例は、ILDを起こさなかった患者と比べて、PFSが長かった(19.9ヶ月 vs. 6.2ヶ月、p=0.04)。

結論:
 過去の報告を合わせると、クリゾチニブに関連したILDは合計49人(今回の6人を含める)同定された。肺に対する有害事象には2つのタイプがあり、両者で異なる経過をたどった。


by otowelt | 2015-09-08 00:37 | 肺癌・その他腫瘍

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