肺動脈性肺高血圧症に対する初期治療のアンブリセンタン+タダラフィルは臨床的治療失敗リスクを低下

e0156318_1015675.jpg ヴォリブリスとアドシルカの併用の報告です。メインドラッグの併用の報告が増えてきました。

Nazzareno Galiè, et al.
Initial Use of Ambrisentan plus Tadalafil in Pulmonary Arterial Hypertension
N Engl J Med 2015; 373:834-844


背景:
 肺動脈性肺高血圧症(PAH)患者に対して、アンブリセンタンとタダラフィルを初期から併用することが長期アウトカムにどのような影響を与えるか、ほとんどデータがない。

方法:
 二重盲検試験において、PAHの症状がWHO機能分類IIまたはIIIで、PAHに対して治療歴のない患者を、アンブリセンタン10mg+タダラフィル40mgによる初期併用療法を行う群(併用治療群)、アンブリセンタン10mg+プラセボの投与を行う群(アンブリセンタン単剤治療群)、タダラフィル40mg+プラセボの投与を行う群(タダラフィル単剤治療群)に、2:1:1にランダムに割り付けた。薬剤はいずれも1日1回投与とした。time-to-event解析におけるプライマリエンドポイントは、臨床的な治療失敗の初回イベントとし、死亡、PAH悪化による入院、病勢進行、不十分な長期的治療反応性の4つのいずれかの初回発生と定義した。

結果:
 合計500人を解析の対象とした。内訳は併用治療群253人、アンブリセンタン単剤治療群126人、タダラフィル単剤治療群121人だった。プライマリエンドポイントイベントはそれぞれ18%、34%、28%で発生し、単剤治療を統合した群(2つの単剤治療群をあわせたもの)では31%で発生。併用治療群の単剤治療を統合した群に対するプライマリエンドポイントのハザード比は0.50(95%信頼区間0.35-0.72、P<0.001)だった。治療開始24週の時点で、併用治療群において単剤治療を統合した群と比較して、NT-proBNPがベースラインから大きく低下し(平均変化量-67.2% vs. -50.4%、P<0.001)、臨床的な治療反応があった患者の割合が高く(39% vs. 29%、オッズ比1.56[95%信頼区間1.05-2.32]、P=0.03)、6分間歩行距離が延長した(平均変化量48.98m vs. 23.80m、P<0.001)。併用治療群では、単剤治療群と比較して浮腫、頭痛、鼻閉、貧血の有害事象が多く観察された。

結論:
 治療歴がないPAH患者では、アンブリセンタンとタダラフィルを初期から併用することで、アンブリセンタンまたはタダラフィル単剤治療と比較して、臨床的治療失敗のイベントのリスクが有意に低下した。


by otowelt | 2015-09-09 00:03 | 呼吸器その他

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