新しいACOS診断基準を用いると、COPDコホートのうちACOS例は15%に存在し比較的予後良好

e0156318_125953.jpg ACOSの診断については、GINAのガイドラインが使いやすいと思います。ただ、この論文でも指摘されているように実臨床での妥当性の検証はされていません。

Borja G. Cosio, et al.
Defining the Asthma-COPD overlap syndrome in a COPD cohort
Chest. 2015. doi:10.1378/chest.15-1055


背景:
 喘息COPDオーバーラップ症候群:Asthma-COPD overlap syndrome (ACOS)は近年国際的ガイドラインにも記載されるようになった。ステップワイズアプローチによって診断を行うことが推奨されているが、臨床的応用は困難である。

方法:
 ACOS患者を同定するために、特性のはっきりしたCOPDコホートを1年間追跡し解析した。このCOPDコホートにおいて、喘息に関連した特異的な臨床的特徴があるかどうかを評価し、主要な基準(気管支拡張試験で400mLおよび15%を超える改善、過去の喘息既往)と副次的な基準(末梢血好酸球が5%を超える、IgEが100UI/mLを超えるもしくはアトピーの既往がある、2回の気管支拡張薬試験で200mLおよび5%を超える改善)を用いた。われわれは、1つの主要基準あるいは2つの副次的基準を満たしたものをACOSと定義した
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 ベースラインの特性、CATスコア、BODEインデックス、発作・急性増悪の頻度、追跡1年の死亡率をACOSの有無によって比較した。

結果:
 831人のCOPD患者のうち、125人(15%)がACOSの基準を見たし、98.4%がこの基準を1年後も満たしていた。ACOS患者の多くは男性で(81.6%)、軽症から中等症の症状を有しており(67%)、ICS治療を受けていた(63.2%)。ベースラインの患者特性に差はなく、非ACOS-COPD患者では1年後の生存率が不良であった(p <0.05)。

結論:
 今回提示したACOS基準を用いると、COPDコホートの15%にACOSが存在することがわかった。またこれらの患者ではACOSの基準を満たさないCOPD患者と比較して1年後の予後が良好であった。


by otowelt | 2015-10-09 00:30 | 気管支喘息・COPD

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