N-アセチルシステインはアミノグリコシドによる耳毒性を軽減する

e0156318_17184039.jpg 日本でも錠剤が販売されるとよいのですが。

Kranzer K, et a.
A systematic review and meta-analysis of the efficacy and safety of N-acetylcysteine in preventing aminoglycoside-induced ototoxicity: implications for the treatment of multidrug-resistant TB.
Thorax. 2015 Sep 7. pii: thoraxjnl-2015-207245. doi: 10.1136/thoraxjnl-2015-207245. [Epub ahead of print]


背景:
 耳毒性はアミノグリコシドの重大な副作用である。アミノグリコシドは、多剤耐性結核(MDR-TB)の治療として推奨されている。N-アセチルシステイン(NAC)は薬剤性難聴あるいは騒音性難聴に保護的にはたらくとされている。このレビューでは、アミノグリコシドにNACを併用することで耳毒性の発現に影響があるかどうかを調べ、持続的にNACを投与することの安全性と忍容性をアセスメントした。

方法:
 レビューした研究は、NACとアミノグリコシドを併用することで耳毒性を予防する効果を報告したものとした。適応の有無にかかわらずNACを6週間以上投与した研究を対象としている。要約推定量は固定効果モデルを用いて算出された。異質性はI2 statisticを用いて解析した。

結果:
 3つの研究が登録され、アミノグリコシドを投与された末期腎不全146人においてNACは耳毒性を軽減した。投与4~6週間時における耳保護に対する相対リスクは0.14(95%信頼区間0.05~0.45)であり、リスク差は―33.3%だった(95%信頼区間45.5%~21.2%)。
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(文献より引用)

 6週間を超えるNAC投与は83の研究(9988人)において記載されており、腹痛、嘔気、嘔吐、下痢、関節痛は1.4~2.2倍に増えた。

結論:
 アミノグリコシドにNACを併用することで耳毒性を軽減できる。MDRTBに用いるアミノグリコシドにNACを併用する臨床試験の妥当性が強く示唆される。


by otowelt | 2015-10-08 00:29 | 抗酸菌感染症

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