難治性慢性咳嗽の治療:CHESTガイドラインとエキスパートパネルレポート

 Unexplained chronic coughにはまだ適切な日本語訳はないと思います。ここでは難治性慢性咳嗽と記載します。UCCと聞くと、どうしてもコーヒーが頭に浮かんでしまう・・・。

Peter Gibson, et al.
Treatment of Unexplained Chronic Cough: CHEST Guideline and Expert Panel Report
Chest. 2015. doi:10.1378/chest.15-1496


背景:
 難治性慢性咳嗽:Unexplained chronic cough (UCC)はQOLを障害する。UCCの効果的なアセスメントや治療を同定する必要がある。

方法:
 このランダム化比較試験のシステマティックレビューでは、以下の質問を投げかけた。すなわち、UCC患者における咳嗽重症度、咳嗽頻度、咳嗽関連QOLに対する通常ケアよりも効果的な治療は何か?
 システマティックな精査や治療にも拘わらず原因が不明だった8週間を超える慢性咳嗽を呈する成人および12歳を超える青年の研究が登録され、その信頼性や質を調べた。システマティックレビューに基づいて、ガイドラインを提示する。

結果:
 11のランダム化比較試験および5つのシステマティックレビューが登録された。11のランダム化比較試験では、さまざまな介入を受けた慢性咳嗽患者570人のデータが得られた。研究の質は10のランダム化比較試験で高かった。いずれもUCCを同定するためにさまざまな手法やアセスメントが適用された。ガバペンチンとモルヒネは咳嗽関連QOLに効果的であったが、ガバペンチンのみが治療推奨として支持された。吸入ステロイド薬(ICS)の研究はインターベンションフィデリティバイアスがみられたこともあり、ICSはUCCに対する効果的な治療とはみなされなかった。エスモペラゾールは、胃食道逆流症の特徴がないUCC患者には効果的ではなかった。NERDに関するUCCの研究は同定されなかった。集学的言語療法(Speech pathology)の介入は咳嗽重症度を改善させた。

結論:
 UCCの診断とマネジメントを支持するエビデンスは限定的である。言語療法(Speech pathology)はUCCの治療オプションとして推奨される。


by otowelt | 2015-10-27 00:14 | 呼吸器その他

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