コリスチンのネブライザー吸入はVAPの頻度を減少させるか?

e0156318_10373080.jpg コリスチンのネブライザー吸入の話題です。気管支拡張症に対する有効性についての報告が記憶にあります。

ATS2013:慢性緑膿菌感染を有する気管支拡張症に対してプロミキシンのネブライザー吸入が有効

Marios Karvouniaris, et al.
Nebulised colistin for ventilator-associated pneumonia prevention
ERJ DOI: 10.1183/13993003.02235-2014 Published 24 September 2015


背景:
 われわれは、ネブライザー吸入によるコリスチン投与が、ICUにおける多剤耐性菌による人工呼吸器関連肺炎(VAP)の頻度を減少させることができるか評価した。

方法:
 これは単施設ランダム化オープンラベル試験であり、ギリシャのラリサ大学病院における12床のICUで実施された。患者は48時間を超えて人工呼吸管理されているものとした。コリスチン群は50万単位をネブライザーで1日2回予防投与、対照群は生食をネブライザーで1日2回投与された。投与は入室10日まで、あるいは抜管があるまで続けられた。プライマリアウトカムは30日VAP発生率とした。

結果:
 合計168人の患者が登録された。VAPの頻度はコリスチン群および対照群で有意な差はみられなかった(14人[16.7%] vs 25人[29.8%]、p=0.07)。セカンダリアウトカムについて、介入群ではVAP罹患密度率は低く(11.4 vs 25.6, p<0.01)、グラム陰性桿菌によるVAPも少なく(p=0.03)、多剤耐性菌によるVAPも少なかった(p=0.04)。VAP患者39人の解析では、吸入コリスチンによる予防によってICU死亡率が改善した。コリスチン耐性菌の増加については報告されていない。

結論: 
 コリスチンのネブライザー吸入はICUにおけるVAPの頻度を減少させる効果はなかった。


by otowelt | 2015-10-28 00:21 | 集中治療

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