肺MAC症に対するクロファジミン含有レジメンの有効性は標準治療に匹敵

e0156318_13334416.jpg 肺MAC症に対するクロファジミンを代替治療として推奨する報告です。クロファジミン使用率が高いですが、論文中に「クロファジミンかリファンピシンのどちらを使用するかについては治療医にゆだねられた。とりわけリファンピシンの薬物相互作用が懸念される場合、クロファジミンが使用された」と記載されています。選択バイアスがあったことに関しては考察にも記載されています。

Julie Jarand, et al.
Long Term Follow Up Of Mycobacterium Avium Complex Lung Disease In Patients Treated With Regimens Including Clofazimine and/or Rifampin
Chest. 2015. doi:10.1378/chest.15-0543


背景:
 肺Mycobacterium avium complex (MAC)症は多剤併用による長期治療が必要な呼吸器感染症である。現行の推奨レジメンでは薬剤忍容性や薬物相互作用がよくみられる。しかしながら、代替治療については限られた報告しかない。

方法:
 この後ろ向きレビューでは、成人の肺MAC症患者で少なくとも治療後6ヶ月の経過を追えたものを登録した。クロファジミンおよびリファンピシンを含むレジメンの臨床的および微生物学的アウトカムを調べた。

結果:
 107人の患者が登録された。79%が女性で、平均年齢は67歳だった。喀痰の抗酸菌塗抹検査は全体の54%で陽性であった。ほとんどの患者はクロファジミン+マクロライド+エタンブトール(85%)によって治療されていた。14人の患者(13%)はリファンピシン+マクロライド+エタンブトールによる治療であった。95%の患者は、平均4.5±4.2ヶ月で喀痰塗抹が陰性化した。クロファジミンによって治療された患者は、リファンピシンで治療された患者よりも喀痰陰性化の頻度が高かった(100% vs 71%; p=0.0002)。
e0156318_13244486.jpg
(文献より引用:肺MAC症アウトカム[Figure2])

 微生物学的な再発は107人中52人(49%)で観察された。36%の患者は再治療を要した。2つの治療レジメン間で再発率や再治療率に有意差はみられなかった。

結論:
 肺MAC症のほとんどの患者は喀痰陰性化が達成できる。再治療は全体の3分の1の患者に要した。われわれのコホートでは、クロファジミン含有レジメンはリファンピシン含有レジメンと初期アウトカムや再治療率について遜色ない結果が得られた。クロファジミンは代替治療案として考慮すべきであろう。


by otowelt | 2015-11-16 00:13 | 抗酸菌感染症

<< 本の紹介:薬のデギュスタシオン 重症COPD急性増悪を起こした... >>