高齢者LD-SCLCに対する化学放射線治療は化学療法単独よりも生存期間を延長

e0156318_12204311.jpg 高齢者でも放射線治療を併用したほうがOSが延長するという報告です。OSは逐次併用よりも同時併用の方がよいという結果ですが、3年生存率ではほとんど差がないようです(Kaplan-Meier曲線がクロス)。

Christopher D. Corso, et al.
Role of Chemoradiotherapy in Elderly Patients With Limited-Stage Small-Cell Lung Cancer
JCO October 19, 2015


目的:
 大規模国内データベースを用いて、化学療法単独と化学放射線治療を受けた高齢者患者のアウトカムを比較すること。

方法:
 2003年から2011年までの間、国内癌データベースにおいて、化学療法単独および化学放射線治療を受けた病期I~IIIの70歳以上の限局型小細胞肺癌(LD-SCLC)患者が登録された。報告施設による階層混合効果ロジスティック回帰の上、治療選択に関連する因子を同定した。化学療法単独と化学放射線治療を受けた患者の全生存期間(OS)がlog-rank testおよびCox比例ハザード回帰によって比較された(傾向スコアマッチング)。

結果:
 8637人の患者のうち、3775人(43.5%)が化学療法単独で治療され、4862人(56.3%)が化学放射線治療を受けた。化学放射線療法を受けるオッズは、加齢、病期III、女性、合併症の存在によって低下していた(すべてP < .01)。単変量および多変量解析において、化学放射線治療は全生存期間の延長と関連していた(OS中央値15.6ヶ月 vs. 9.3ヶ月、3年生存率22% vs. 6.3%、log-rank P<0.001; Cox P<0.001)。
e0156318_1226454.jpg
(文献より引用:OS[Figure 2A])

 傾向スコアでマッチさせた6856人について比較すると、化学放射線治療による生存的利益が得られた(ハザード比0.52、95%信頼区間0.50-0.55、P < .001)。診断から4ヶ月後に生存していた患者のサブセット解析では、放射線同時併用群が逐次併用群の生存期間を上回っていた(17.0ヶ月 vs. 15.4ヶ月、log-rank P = .01)。
e0156318_12263220.jpg
(文献より引用:Figure 4)

結論:
 高齢者LD-SCLCにおいて、最近の化学放射線治療は化学療法単独と比較して生存的利益が得られるだろう。毒性に忍容性があれば高齢者LD-SCLCの治療選択として化学放射線治療が選択されるべきと考える。


by otowelt | 2015-11-09 00:04 | 肺癌・その他腫瘍

<< BELT研究:黒人喘息患者にお... 肺嚢胞は成人の7.6%に存在する >>