難治性呼吸困難感に対する経口低用量モルヒネは睡眠の質を改善させる

e0156318_1110586.jpg国内では、非がん患者さんに対するモルヒネは「難治性咳嗽」にしか使用できません。

Rodrigo T. Martins, et al.
Effects of low-dose morphine on perceived sleep quality in patients with refractory breathlessness: A hypothesis generating study.
Respirology, Article first published online: 12 NOV 2015,DOI: 10.1111/resp.12681


背景および目的:
 慢性的な難治性呼吸困難感を有する患者に対する定期的な低用量(30mg/日以下)の経口モルヒネは選択肢の1つである。モルヒネはある状態では睡眠を阻害し、またある状態では睡眠の質を改善させるかもしれない。この研究は、低用量モルヒネが息切れによる睡眠の中断や睡眠の質の自覚にもたらす影響を調べたものである。

方法:
 4日間の20mg経口モルヒネあるいはプラセボを投与する二重盲検試験に、38人の難治性呼吸困難感を呈する患者(30人が男性、33人がCOPD、平均年齢76±0.9歳)が参加した。4日間モルヒネ→4日間プラセボ、あるいは4日間プラセボ→4日間モルヒネ、の計8日間。患者は息切れによる睡眠の中断や、睡眠の質の自覚を8日間の試験期間中に毎日聴取された。

結果:
 息切れによる睡眠中断の自覚はプラセボ期間で13~32%、モルヒネ期間で13~26%の幅でみられた。それぞれの日でみてみると、モルヒネ群の方がその頻度は低下していた。ほとんどの参加者はモルヒネ期間中は「とてもよい」あるいは「極めてよい」と回答しており、睡眠の質の悪化もみられなかった(オッズ比 0.55, 95%信頼区間0.34–0.88, P = 0.01)。モルヒネ期間中は息切れの軽減を報告した患者は、睡眠の質についても改善したと報告しやすいことがわかった(P = 0.039)。

結論:
 難治性呼吸困難感を有する高齢患者に対する4日間の低用量モルヒネは、睡眠の質を改善させる。


by otowelt | 2015-11-27 00:57 | 呼吸器その他

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