本の紹介:薬のデギュスタシオン

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 岩田健太郎先生編集の『薬のデギュスタシオン』が発売されます。私も20ページあまりを執筆させていただきました。憧れの先生に執筆の依頼をいただけたことは、私にとって貴重な経験でした。豪華執筆陣が送る本書は、この薬とあの薬をどう使い分けるのかという“利き薬(デギュスタシオン)”であり、実地医療の本音とエビデンスが詰まった一冊です。分厚く、読み応えは十分でしょう。

 私が初期研修を受けた病院には、総合診療や感染症に長けたスーパーマンドクターがたくさんいました。当時、そのスーパーマンたちにとってさえも憧れの的になっている先生がいました。それが、岩田先生です。そんな先生の書籍にご協力できたことに、大御所芸能人の番組に呼ばれた駆け出し芸人のような、言い表せない感動がありました。

 岩田先生が医学界にもたらした功績の1つに、医学書の革命があります。もともと、医学書とは教科書であり辞書でした。難解な文章と図表の連続。分厚いクセに枕にすらならない堅いモノでした。そういう小難しい本を持っていることで、とりあえず満足感を得ましょうというのもあり、本棚の奥でホコリをかぶっている医学書は数知れず。岩田先生の医学書を研修医時代初めて読んだとき、頭を殴られたような衝撃を受けました。研修医に語りかけてくるように頭にスラスラと入ってくる医学書を、目にしたことがなかった。医学書に読み物の要素をここまで上手に医学書に混ぜ込んだのは、おそらく岩田先生が初めてです。この“読み物と医学書の融合”は、その後の医学書の目指すところにもなりました。


(目次)
1.先発医薬品と後発医薬品の比較(金城紀与史)
2.風邪に対する総合感冒薬,解熱鎮痛薬,葛根湯,うがい薬の比較(青島周一)
3.タミフルとリレンザとイナビルとラピアクタの比較(佐藤直行)
4.季節性アレルギー性鼻炎への抗ヒスタミン薬,抗ロイコトリエン薬,鼻噴霧ステロイド薬の比較(青島周一)
5.抗アレルギー薬の比較(鎌田一宏・徳田安春)
6.アレグラとアレロックとクラリチンとジルテックとポララミンの比較(岩本修一・横林賢一)
7.フロモックスとメイアクトとバナンとセフゾンとトミロンの比較(と次いでにケフレックスについて)(岩田健太郎)
8.シプロキサンとクラビットとジェニナックとアベロックスの比較(岸田直樹)
9.マクロライド系抗菌薬,キノロン系抗菌薬の重篤な有害事象(青島周一)
10.バンコマイシンとテイコプラニンとダプトマイシンとリネゾリドとクリンダマイシンとST合剤とその他の比較(山本舜悟)
11.急性腰痛に対するアセトアミノフェン(大野 智)
12.カロナール(アセトアミノフェン),トラムセット(トラマドール/アセトアミノフェン),ロキソニン(ロキソプロフェン),ペンタジン/ソセゴン(ペンタゾシン)の比較(山田康博・尾藤誠司)
13.アセトアミノフェンとNSAIDsとコルヒチンの比較(笹木 晋・徳田安春)
14.NSAIDsの消化器系および心血管系有害事象の比較(青島周一)
15.片頭痛予防薬の比較(本村和久)
16.ムコダインとムコソルバンとビソルボンとスペリアの比較(倉原 優)
17.鎮咳剤の比較(福士元春)
18.気管支喘息治療:吸入ステロイド薬,合剤吸入薬,テオフィリン,ロイコトリエン拮抗薬の比較(倉原 優)
19.オルベスコとパルミコートとフルタイドとキュバールとアズマネックスの比較(倉原 優)
20.COPD治療:吸入抗コリン薬,吸入長時間作用性β2刺激薬,合剤吸入薬,テオフィリンの比較(倉原 優)
21.スピリーバレスピマットとスピリーバカプセルの死亡リスクの比較(青島周一)
22.タケプロンとガスターとアルサルミンとサイテックとムコスタの比較(佐藤直行)
23.オピオイド導入後の便秘対策(大野 智)
24.マグラックスとラクツロースとプルゼニドとラキソベロンの比較(佐藤直行)
25.整腸剤とヨーグルト(森川日出男・尾藤誠司)
26.止痢剤の比較(福士元春)
27.ACE阻害薬とARBの血管浮腫リスクの比較(青島周一)
28.アンジオテンシン変換酵素阻害薬(ACE)とアンジオテンシン受容体拮抗約(ARB)の比較(名郷直樹)
29.スタチンと糖尿病発症リスクの比較(青島周一)
30.糖尿病治療の経口薬の比較:ビグアナイド薬,スルホニル尿素薬,グリニド系薬,α-グルコシダーゼ阻害薬,DPP-4阻害薬,チアゾリジン薬,SGLT2阻害薬(能登 洋)
31.各種インスリン療法の比較(岩岡秀明)
32.DPP-4阻害薬の比較:ジャヌビア/グラクティブ,エクア,ネシーナ,トラゼンタ,テネリア,スイニー,オングリザ,ザファテック(能登 洋)
33.メトグルコとアクトスの比較(名郷直樹)
34.普通の経腸栄養剤と病態別経腸栄養剤と免疫賦活系経腸栄養剤の比較(尾藤誠司・赤木祐貴)
35.ビスフォスフォネートとPTH製剤とRANKL製剤の比較(金城光代)
36.禁煙補助薬の比較:ニコチンガム,ニコチンパッチ,バレニクリン(青島周一)
37.スローケーとグルコン酸KとK.C.L.エリキシルの比較(佐藤直行)
38.終末期患者の不眠に対する睡眠薬の経静脈投与:ロヒプノールとドルミカムの比較(森田達也)
39.三環係抗うつ薬と四環系抗うつ薬とSSRIとSNRIの比較(林 哲朗・尾藤誠司)
40.SSRIとSNRIとNaSSAの比較(宮内倫也)
41.ベンゾジアゼピン系抗不安薬の比較(宮内倫也)
42.統合失調症治療における定型抗精神病薬と非定型抗精神病薬(宮内倫也)
43.がん患者におけるせん妄治療:抗精神病薬の選択(大野 智)
44.がん疼痛のベースライン鎮痛に使用するオピオイドの比較:オキシコドンとフェンタニル貼付剤とモルヒネ(森田達也)
45.がん疼痛のレスキュー薬として使用するオピオイドの比較:オキシコドンとモルヒネとフェンタニル口腔粘膜吸収薬(森田達也)
46.がん疼痛に対する経口の鎮痛補助薬の比較:リリカとトリプタオールとサインバルタとテグレトールとメキシチールと経口ケタミン(森田達也)
47.がん疼痛に対する非経口の鎮痛補助薬の比較:ケタミンとキシロカイン(森田達也)
48.終末期患者の死前喘鳴(デスラットル)に対する抗コリン薬の比較:ハイスコとブスコパンとアトロピン(森田達也)
49.オピオイド導入時の嘔気対策(大野 智)
50.バセドウ病治療法の比較:抗甲状腺薬,無機ヨード療法,131I内用療法,手術療法(岩岡秀明)
51.メファキンとマラロンとビブラマイシンの比較(岩本修一・横林賢一)


by otowelt | 2015-11-17 00:01 | その他

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