イギリスのCOPDに対するトリプル吸入療法の実臨床

e0156318_10134879.jpg イギリスにおけるトリプル吸入療法の実地診療の報告です。エンピリックにICS/LABAが入ると、診断後はLAMAを追加するケースが多いようです。

Brusselle G, et al.
The inevitable drift to triple therapy in COPD: an analysis of prescribing pathways in the UK.
Int J Chron Obstruct Pulmon Dis. 2015 Oct 15;10:2207-17.


背景:
 実臨床におけるトリプル吸入療法(ICS+LABA+LAMA)の処方は、GOLDやNICEの推奨とは異なっている可能性がある。この研究では、トリプル吸入療法を受けている気管支喘息を有さないCOPD患者を対象にしたものであり、診断からトリプル吸入療法が最初に処方されるまでの経緯をたどる。

方法:
 気管支喘息を有さないCOPD患者におけるイギリスのプライマリケアデータベースを用いた研究であり、2002年から2010年までのデータを用いた。COPDの診断前後でトリプル吸入療法をどのタイミングで受けていたか、またトリプル吸入療法を処方されるまでどのくらいの期間があったか、肺機能グレードに与えた影響、mMRC、急性増悪の既往のデータが分析された。

結果:
 試験期間中、32%の患者がトリプル吸入療法を受けていた。これらのうち、COLD A~Dのそれぞれ19%、28%、37%、46%の患者が診断後にトリプル吸入療法を受けていた。トリプル吸入療法を処方された全患者のうち、25%がCOPDの診断から1年以内に処方されていた。トリプル吸入療法は、ICS+LABA→LAMAの手法が多くみられ、COPD増悪のエピソードによってこれが助長されている可能性が示唆された。
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(文献より引用)

 ※ICS/LABAで開始され、COPD診断後にLAMAが追加されるというケースが多かった様子。

結論:
 イギリスのCOPD臨床では不適切なトリプル吸入療法がおこなわれ、ICS+LABAで開始して過度なトリプル吸入療法に到達していることがわかった。


by otowelt | 2015-12-02 00:05 | 気管支喘息・COPD

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