COPD急性増悪時の動脈血液ガス分析は、静脈でも代用可能

e0156318_13221840.jpg CO2レベルは静脈の方が高めになります。
 静脈血液ガス分析がラクになると、必要ないのにどんどん検査が提出されるのではないでしょうか。

Tricia M McKeever, et al.
Using venous blood gas analysis in the assessment of COPD exacerbations: a prospective cohort study
Thorax doi:10.1136/thoraxjnl-2015-207573


背景:
 急性II型呼吸不全を同定することは、COPD急性増悪の初期マネジメントに重要である。ガイドラインは動脈血液ガス分析を推奨しているが、静脈と比較して困難である。われわれは、静脈血液ガス分析がこれの代替として有効かどうか調べた。

方法:
 COPD急性増悪で治療目的に入院を余儀なくされた患者に、動脈血液ガス分析および静脈血液ガス分析を実施した。これらのpH、CO2、HCO3-が測定され、Bland-Altman解析で一致を調べた。SpO2およびSaO2の関連についても調べられた。穿刺回数や疼痛スコアもデータをとった。

結果:
 234人が登録された。動脈血液ガス分析と静脈血液ガス分析の間でpHおよびHCO3-に良好な一致がみられた(平均差はそれぞれ0.03[誤差許容範囲-0.54~0.11]、-0.04[誤差許容範囲-2.90~2.82])。CO2については平均差1.93kPaの差がみられた(95%信頼区間1.58 to 2.28)。
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(文献より引用:上からpH、HCO3-、CO2

 SpO2とSaO2の一致も良好であった(SpO2が80%を超える患者の場合)。動脈血液ガス分析の穿刺回数は静脈血液ガス分析よりも多く、疼痛スコアも高かった(平均疼痛スコア4点[IQR2-5] vs. 1点[IQR0-2]、p<0.001)。

結論:
 動脈血液ガス分析は静脈血液ガス分析よりも採取が困難で痛みを感じる。しかし、pHやHCO3-に良好な一致がみられた。SpO2とSaO2の一致も良好であった。そのため、COPD急性増悪の初期アセスメントにおいて、静脈血液ガス分析とパルスオキシメーターの使用は許容できる。


by otowelt | 2016-01-08 00:55 | 気管支喘息・COPD

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