クリスマスBMJ:臨床試験スタッフに赤ちゃんが生まれると試験の進捗と費用に負担?

e0156318_10323428.jpg 昨日に引き続き、クリスマスBMJです。AVERT研究のスピンオフとして、AVERT2と命名されています。

Julie Bernhardt, et al.
Christmas 2015: Professional Considerations
AVERT2(a very early rehabilitation trial, a very effective reproductive trigger): retrospective observational analysis of the number of babies born to trial staff
BMJ 2015; 351 doi: http://dx.doi.org/10.1136/bmj.h6432 (Published 11 December 2015)


目的:
 AVERT研究(大規模な脳卒中の臨床試験)の間に、試験スタッフに1人の赤ちゃんが生まれることによる登録患者の必要増加数を調べた。

方法:
 後ろ向き観察研究。8ヶ国・56の脳卒中専門病院が登録された。この研究の被験者は1074人(理学療法士284人、看護師629人、その他の医療従事者50人)であった。アウトカムは、試験スタッフに1人の赤ちゃんが生まれることによって、登録患者がどのくらい増えるか(NNRpB: 試験スタッフに生まれた赤ちゃんの数に対するAVERT研究に登録された総患者数の比)。セカンダリアウトカムとしてコスト(試験費用)を設定した。

結果:
 AVER研究に2104人の患者が登録された。1074人の試験スタッフのうち、926人が女性で、148人が男性だった。120人の赤ちゃんが試験スタッフに誕生した(著者は驚くほど多かったと記載している)。
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(文献より引用:登録患者数と試験スタッフの赤ちゃん出生数)

 赤ちゃんの誕生は、AVERT研究の登録達成に推定10%の時間的ロスを生んだと予想された。6つの登録施設では、赤ちゃんの出生・世話のために親が離れてしまったことが原因で施設登録がなくなった(閉鎖)。NNRpBは17.5人だった(95%信頼区間14.7-21.0)。各出生によって試験費用は平均5736オーストラリアドル(約50万円)かかった。

結論:
 AVERT研究における試験スタッフの不在は試験登録の遅延やコスト増大を招き、研究者が試験や予算を立案する際にはこれらを考慮しなければならない。しかしながら、新しい生命へのお祝いはAVERTの年次会合のハイライトとなり、結束力を維持する助けとなった。


by otowelt | 2015-12-14 00:55 | その他

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