クリスマスBMJ:ロシア高官は歩くときに右腕を振らない

 クリスマスBMJの5本目です。
 論文からビデオが閲覧できます。確かに明らかな左右差があるので、驚きました。しかし、どう考えても著者がふざけているとしか思えない、歩行とは関係のないプーチン大統領の映像が多いです。

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(文献よりビデオ情報を引用:左:柔道中、右:筋トレ中)

 メドベージェフ首相はKGBとは関係ないそうで、プーチン大統領の真似をしているのではないかと考えられています。それにしても、こんな論文を大々的に発表して大丈夫なんでしょうか。

Rui Araújo, et al.
Christmas 2015: Political science
“Gunslinger’s gait”: a new cause of unilaterally reduced arm swing
BMJ 2015; 351 doi: http://dx.doi.org/10.1136/bmj.h6141 (Published 14 December 2015)


目的:
 上位型麻痺(Erb麻痺)、脳卒中、Parkinson病といった肩の病的な原因によって起こる、片側の腕を振らない歩き方の新しい原因を究明すること。

方法:
 YouTubeビデオの解析によって、ロシア高官の歩き方を調べた。
※論文中にURLあり(http://bcove.me/6dnnnqzp)。

結果:
 プーチン大統領、メドベージェフ首相のほか、アナトーリー・セルジュコフなど3人のロシア高官の歩き方は同じだった。すなわち、左腕は普通に振って歩いているものの、右腕はほとんど動かしていないということだ。非対称な歩行形式だが、明らかな神経学的症状はなく、疾患によるものの可能性は除外された。
 KGBが用いた軍訓練用マニュアルを参照してみると、「右手に持った武器を胸の近くに引き寄せた状態で体の片側(通常左)を進行方向に少し向けた状態で前進しなさい」という指示が書かれてあった。これは、KGBが敵に遭遇した際できるだけ素早く銃を抜けるようにするためである。

結論:
 われわれは、いわゆる“ガンマン(早撃ち名人)歩行”とも言うべき新しい歩行形式を報告した。これは行動学的な適応によるものと思われ、素早く銃を抜くため右手を胸の近くに引き寄せておくという、KGB・その他訓練によって惹起されたものだ。この歩行形式は、片側の腕の振りが少ない場合に鑑別診断に加えておく方がよいだろう。


by otowelt | 2015-12-16 03:39 | その他

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