クリゾチニブ耐性ALK陽性非小細胞肺癌に対するアレクチニブの第II相試験

e0156318_16174587.jpg L1196Mゲートキーパー変異によってザーコリ®が効かなくなった肺癌に対して、アレセンサ®やセリチニブは高い活性を有することがすでに分かっています。しかし、それでもなお腫瘍は耐性化を生じます。癌細胞の感受性と耐性化の戦いは、まるで感染症と抗菌薬の戦いを見ているようにも思います。
ASCOでOu先生がクリゾチニブ耐性NSCLCに対するアレクチニブの第II相試験の結果を発表しています。これによればORR50%、DCR79%です(Ou S, et al. J Clin Oncol 33, 2015 (suppl; abstr 8008))
 セリチニブもアレクチニブと同じく、クリゾチニブ耐性NSCLCに対して有効とされています。

Shaw AT, et al.
Alectinib in ALK-positive, crizotinib-resistant, non-small-cell lung cancer: a single-group, multicentre, phase 2 trial.
Lancet Oncol. 2015 Dec 18. pii: S1470-2045(15)00488-X. doi: 10.1016/S1470-2045(15)00488-X.


背景: 
 アレクチニブは、クリゾチニブナイーブおよびクリゾチニブ耐性のALK陽性非小細胞肺癌(NSCLC)患者に有効な、高い選択性を有するCNSにも活性を有するALK阻害薬である。われわれは、過去にクリゾチニブを投与されたものの病勢進行したALK陽性NSCLC患者に対するアレクチニブの効果と安全性を調べた。

方法:
 これは、アメリカおよびカナダで実施された27施設の第II相試験である。われわれは、18歳以上、IIIB/IV期、過去にクリゾチニブを投与され病勢進行したALK陽性NSCLC患者を登録した。患者は病勢進行・死亡・投与中断まで経口アレクチニブ600mgを1日2回投与された。プライマリエンドポイントは、RECISTv1.1を用いた独立レビュアーによる客観的奏効率(ORR)の判定とした。試験薬を内服した患者で奏効が評価可能な集団で奏効エンドポイントを解析、ITTで効果と安全性の解析をおこなった。

結果:
 2013年9月4日~2014年8月4日までに、ITTで87人の患者が登録された。フォローアップ期間中央値4.8ヶ月(IQR3.3-7.1)の初回解析時に、測定可能病変を有する69人中33人がPR、ORRは48%だった(95%信頼区間36-60)。有害事象はgrade1-2のものが多く、よくみられたのが便秘(31人[36%])、疲労(29人[33%])、筋肉痛(21人[24%])、末梢浮腫(20人[23%])だった。grade3-4の有害事象は、検査値の変化に多くみられた。CPK上昇(7人[8%])、ALT上昇(5人[6%])、AST上昇(4人[5%])など。2人の患者が死亡した。1人は出血(治療に関連すると判断された)、1人は病勢進行と脳卒中既往によるもの(治療とは無関連)。

結論:
 クリゾチニブ耐性ALK陽性NSCLCに対するアレクチニブは臨床的に活性があり忍容性も良好である。そのため、クリゾチニブの使用によって病勢進行したALK陽性肺癌の治療としてアレクチニブは妥当な選択肢になりうる。


by otowelt | 2016-01-19 00:56 | 肺癌・その他腫瘍

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